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書評

ちょっと不思議が集まる“あったら良かった”青春――穂史賀雅也著『暗闇にヤギを探して』

こんにちは、すずきです。最近、少し昔のラノベを読んでいるのですが、予想外に心が動かされた作品があり、Twitterで「#推しのラノベ1作だけ選べ」というハッシュタグも見かけたので、ここでオススメしておきます。 それは穂史賀雅也さんが書いた『暗闇にヤ…

細田守監督『バケモノの子』はネトゲ廃人に送る物語【ネタバレありの感想・レビュー】

7月11日に公開されたアニメ映画『バケモノの子』。 物語の舞台が渋谷なので、渋谷の映画館に行こうと思っていたのですが、初日舞台挨拶が有楽町のTOHOシネマズ スカラ座で行われるということでそちらで観ることに。 舞台挨拶の回のチケットは抽選のため手に…

佐村河内守氏の疑惑を最初に報じた新潮45の記事を読んでみた

聴覚障害でありながら作曲活動をしていたとされる佐村河内守さん。しかし、実は彼の手によるとされた交響曲はすべて新垣隆さんというゴーストライターが作曲しており、障害もウソであったと、新垣さん自身が会見で語りました。 →聴覚障害の作曲家 別人が作曲…

魅力的な舞台を設計した上田早夕里著『華竜の宮』

2011年の第32回日本SF大賞受賞作品である、上田早夕里著『華竜の宮』を読んだ。同回の大賞候補作品には『魔法少女まどか☆マギカ』も入っていたのだが、そうした有力作品を押しのけて満場一致で大賞に選ばれたというだけあって、構想力がすばらしい。 舞台は…

北村薫著『ターン』は小説界の『CROSS†CHANNEL』

“ループもの”といえば、ノベルゲームの定番テーマ。RPGで全滅してもセーブした場所から再開できるというシステムが、同じ時間を繰り返すという“ループもの”の構造と親和性が高く、プレイヤーにとっても馴染みやすいものとなっているからです。 有名なループ…

ハイパーネットの失敗は夏野剛さんに何をもたらしたか?――板倉雄一郎著『社長失格』を読んで

1990年代後半にかけてのITベンチャー企業ハイパーネットの躍進と崩壊を、板倉雄一郎社長自らが記した『社長失格』。資金繰りや組織運営の苦悩が生々しく描かれていて、当時のベストセラーとなった理由がよく分かった。 ハイパーネットが扱っていたのは、イン…