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1分40秒で反発! 金融市場は緊急地震速報をこう受け止めた

 夏休み中の人も多かっただろう8月8日。17時前に突然、テレビや携帯電話から緊急地震速報が鳴り響きました。それは「奈良県や大阪府を中心に、最大震度6弱から7程度の地震が起こる」という驚くべき内容。

  ただし、実際に地震は起きたのですが、わずかマグニチュード2.3の地震で震度1以上は観測されず。震度予想が過大となった原因は、和歌山県北部の地震の発生と同じタイミングで、三重県南東沖の海底地震計のノイズを地震の揺れとして取り込んで計算したことが原因だそうです。

 何事もなくて良かったのですが、これに振り回されたのが金融市場。東日本大震災後に日経平均が大暴落したこともあって、緊急地震速報があった16時56分過ぎから日経平均先物が100円も暴落、その後、大地震ではないことが分かると急速に値を戻しました。

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  資料をもとに時系列で状況と日経平均先物の価格を並べてみると↓のような感じになります。

 ・8月8日16時56分頃の和歌山県北部を震源とする地震に関する緊急地震速報について

地震情報(震源・震度に関する情報)

 

16時56分8秒(13600円) 地震波検知

16時56分27秒(13600円) 緊急地震速報 第1報(最大震度6弱から7程度と発表)

16時56分37秒(13590円) 緊急地震速報 第2報

16時56分38秒(13590円) 緊急地震速報 第3報

16時56分45秒(13570円) 緊急地震速報 第4報

16時56分56秒(13550円) 緊急地震速報 第5報

16時57分2秒(13550円) 緊急地震速報 第6報(最大震度5強程度に修正)

16時57分14秒(13530円) 緊急地震速報 第7報

16時58分10秒~13秒 最安値の13500円を付ける

17時0分(13530円) 気象庁が地震情報を発表

17時7分18秒 地震波検知時の13600円に戻す

 

 大地震が感知されたり、緊急地震速報が出たりしたら自動的に日経平均先物を売るアルゴが存在すると、よく都市伝説のように言われています。しかし、緊急地震速報から10秒後でも大して値を下げていないところを見ると、そんなアルゴはないんじゃないかなあと思ったりもします。

 それにしても緊急地震速報から1分40秒後に最安値の13500円を付け、そこからは買い戻されているところを見ると、トレーダーの誤報と判断するまでの時間の早さに驚きます(本当だとしても被害は小さいと判断したのかもしれないですが)。

 2000以上もツイートされている記事「『関西で震度7』と誤報=緊急地震速報で気象庁―体感揺れなし、新幹線一時停車」を時事通信がYahoo!ニュースに配信したのが17時7分なので、それよりはるかに早いです。NHKで放送されていた甲子園中継に変化がなかったことから、僕もおかしいなとは感じていたのですが、その段階で判断できた人たちはすごいですね。

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