医療法人徳洲会グループから5000万円の提供を受けていた東京都の猪瀬直樹知事。借り入れか献金かは本人と徳洲会側の証言が異なっていますが、資金の動きがあったことは確かなようです。
公職選挙法違反となるかどうかが焦点になっていますが、僕が気になっているのはそこまで選挙資金が必要だったのかということ。2012年末の都知事選の開票結果は次の通り。
猪瀬直樹 4338936
宇都宮けんじ 968960
松沢しげふみ 621278
笹川たかし 179180
中松義郎 129406
吉田重信 81885
トクマ 47829
マック赤坂 38855
五十嵐政一 36114
得票率65%で、2位候補の4倍以上の圧勝。ここまでの圧勝は驚きでしたが、猪瀬さんはほぼ負けようがない戦いということを予想していなかったのかと。
徳洲会とのやりとりと選挙スケジュールを並べると次のようになります。
10月25日 石原慎太郎さんが都知事辞任を表明
11月6日 猪瀬さんが療養中の徳田虎雄前理事長を訪問
11月20日 猪瀬さんが徳田毅衆院議員から5000万円を受領(推定)
11月21日 猪瀬さんが記者会見で出馬表明
11月29日 東京都知事選挙公示日
12月16日 東京都知事選挙投開票日
11月14日の産経新聞の都知事選情勢分析記事を見ると、その段階で自民党本部と都連が猪瀬さんの支持を固めたとあります。選挙に圧勝してきた石原慎太郎さんのもと、副知事としての実績を積んでいる上に、当時でも支持率トップだった自民党から支援を受けられた時点で、客観的には勝ちは決定的。あとは青島幸男さん並みの省エネ選挙でも良かったはずです。
それでも資金提供を受けた背景としては
・圧勝したかった
・負けそうだと思っていた
・選挙費用の見積もりが甘かった
・なんらかのしがらみがあって受け取らざるを得なかった
といった理由が考えられます。どの理由かで猪瀬さんの性格が分かりそうですが、選挙違反かどうかより、その理由のほうが個人的には知りたかったりします。