ネットの掲示板を介して、他者のPCを遠隔操作し、それを踏み台として犯罪予告を行ったPC遠隔操作事件。2013年2月に片山祐輔さんが威力業務妨害容疑で逮捕されたものの、事件に関与しているという決定的な証拠は出ていません。
そして、片山さんの公判が行われていた5月16日昼、“真犯人”からメールが送られてきたと弁護士の落合洋司さんらが明かしたことで、さらに状況は混迷を深めることとなります。
→自称真犯人からのメール(本日午前11時37分に送付されてきた)(弁護士 落合洋司(東京弁護士会)の 「日々是好日」)
「裁判中にメールが送られてきたわけだから、片山さんは犯人ではないのか?」という流れになりかけたさなか、警察のリーク情報が流れます。NHKニュースによると「捜査関係者によりますと、メールが送られる前日に片山被告が東京・江戸川区の荒川の河川敷を訪れて何かを埋めるのを捜査員が目撃し、その場を掘り返したところ携帯電話が見つかり、中にメールの文面などが残されていた」とのこと。
→「真犯人」メール 元会社員自身が送信か(NHKニュース)
→「真犯人」主張メール 送信は被告自身か(NHKニュース)
本当に片山さんがメールを作成したのか、本当に埋めたところを捜査員は目撃したのか、そもそも本当に携帯電話は埋まっていたのか……事件の経緯を振り返るに、どこまで記事の内容を信じるべきか難しいところはあります。
ただ、せっかく近くでそういうことが起こったということなので、携帯電話が見つかった荒川河川敷に実際に行ってみることにしました。
片山さんが江東区白河四丁目に住んでいると報道で目にしたので、荒川に行く途中に寄ってみたのですが、あるマンションの周辺にやたら多くのメディアが集まっていました。マンションのすべての出入り口を、誰かしらがチェック。毎日こんな状況なのでしょうか。
自転車で1時間ほどかけて、江東区と江戸川区の境となる荒川に到着。このあたりの河川敷はジョギングコースにもなっています。クルマは通行止めなので、伸び伸びと走れそうです。
ちなみにマンガ「荒川アンダー ザ ブリッジ」で描かれたようなほったて小屋も、河川敷に建っていたりします。
荒川には着いたものの、携帯電話が埋められたのが、どのあたりかまでは分かりません。ニュース映像では現場近くを電車が通っていたのですが、地図を見るとJR京葉線、東京メトロ東西線、都営新宿線といくつもの路線が荒川を横切っています。
しょうがないので下流からしらみつぶしにしようと、一番南にあるJR京葉線の方へと向かうと、途中の葛西橋のあたりでたくさんのテレビクルーを発見。苦労するかと思いきや、一瞬で現場が見つかりました。
場所はこの赤丸のあたり。首都高速中央環状線を作るために埋め立てた土地です(注:これは誤りで、もともと中州だったらしいです)。
現場あたりは非常に見晴らしがいいです。携帯電話を埋めた“真犯人”が尾行を警戒していたとすれば、相手を見つけやすくなるので絶好の場所。
一方、ススキの背が高いので、自分が何かをしていても見えにくくなります。なかなか考えて、埋める場所を選んだなという印象を持ちました。
ただ、ニュースでは携帯電話を埋めたと報じているのですが、埋めるのにちょうどいい土壌がないんですよね。泥のようなところはあるのですが、さすがに防水に不安があるでしょう。
なので土の中ではなく、枯れたススキの下に置いたのではないかなと僕は推測します。これならすぐにできる上に、土を掘るためのスコップもいらないでしょうし、手も汚れません。
個人的には今回の警察のリーク情報は、スマホを見つけて、片山さんが河川敷を歩いているのも目撃してはいるのですが、片山さんがスマホを埋めた現場をおさえていないから流したんじゃないかなあと思ったりしました。この場所だと現場をおさえるのは至難の業ですよ。
現場付近の360度動画はこちら。晴れの日にはすがすがしい気持ちになれそうなので、今度はランニングなどで行ってみたいところです。
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