インフレ圧力や消費増税によって、安い・早い・そこそこうまいをウリにしてきた飲食店が曲がり角に立っています。
その代表格が牛丼チェーン。鍋メニューの拡充によって売り上げこそ前年を上回るようになったものの、すき家では従業員の負担が増加したことで、人員不足におちいっているのはよく知られている通りです。
そんな牛丼業界に殴りこんできたのが肉めし 岡むら屋。2013年3月16日に新橋に1号店をオープン、そしてその1年2カ月後の今日、5月27日に秋葉原に2号店をオープンしたのです。牛丼業界への参入といえば東京チカラめしの焼き牛丼の爆死が記憶に新しいですが、肉めし 岡むら屋ではどんな牛丼で勝負しようとしているのか、チェックしにいきました。
→全速力で東京チカラめしに走った三光マーケティングフーズが激しく転んで44億円流血(市況かぶ全力2階建)
肉めし 岡むら屋 秋葉原店ができたのは秋葉原UDXのすぐそば。アキバ田代通り沿いで、同じ通りにはすき家があります。肉めし 岡むら屋は生まれてからまだ1年強しか経っていないのに、看板で“名物”とうたっているのがいい根性をしています。
メニューは絞られていて、牛肉を使った肉めしと肉皿のみ。ラインアップの多さで勝負する近年の牛丼チェーンとは異なった戦略をとっています。イメージとしては昔の吉野家に近いかもしれません。
メニュー表もシンプル。料理の数が少ないために文字が大きくなっているので、年配の人にやさしいです。値段は肉めし単品が490円とワンコイン以内におさまっているのですが、全体的に牛丼チェーンより200円ほど高くなっています。
とりあえず、店頭ポスターで一押しになっていたデラ肉めしのみそ汁付を注文することに。「テラ」ではなく「デラ」であるところが気になりますが、ドロドロしたニュアンスを加えたかったからでしょうか。
デラ肉めしは2分ほどで運ばれてきました。一口に牛丼といっても、牛丼チェーンの牛丼とは見た目からしてまったく違います。牛肉がブロックであるほか、ダイコン、豆腐、こんにゃく、タマネギなど、さまざまな食材が入っています。みそ汁はシンプルですが。
具材は専用の鍋でひたすら煮込んでいます。東京チカラめしは注文があるごとに調理していたので提供に手間と時間がかかっていましたが、肉めし 岡むら屋では従来型の牛丼チェーンと同じく具材をストックできるので、多くのお客さんに対応できそうです。
肝心のお味ですが、食べてみると、デラ肉めしは非常においしかったです。単品で590円、みそ汁付で640円ですが、値段相応という印象を持ちました。
気になったのは、牛肉やダイコンにはダシが中までしみこんでいたのですが、たまごと豆腐はそれほどでもなかったところ。また、隣の人のダイコンを見たら、中までダシがしみこんでいませんでした。煮込む時間の差でこうなるわけですが、このあたりでクオリティを保てるかどうかが、うまくいくかどうかのポイントになりそうです。
一応、トッピングも用意されてはいます。
この件で個人的に一番面白いと思っているのは、肉めし 岡むら屋を展開しているのは、かつやも展開しているアークランドサービスであること。
カツ丼から牛丼に乗り込んだわけですが、その逆のパターンが牛丼を捨ててカツ丼に向かっている神戸らんぷ亭。僕も先日、カツ丼屋業態の1号店を訪れました。
→かつやのパクリ?! 神戸らんぷ亭が改装を進める「かつ丼屋」の1号店に行ってきた@東京・芝浦
牛丼とカツ丼、どちらに将来性があるのか。アークランドサービスと神戸らんぷ亭のチャレンジがどうなるか、注目されるところです。