このブログではさまざまなバイキング(食べ放題)のお店を紹介してきたわけですが、バイキングを1つの店舗だけでなく、チェーンとして扱っているところもあります。
その最大手(たぶん)がすたみな太郎。郊外中心に出店しているため、名前を知らない人もいるかと思いますが、2014年7月時点で129店舗を全国で展開しています。関係会社含めて、社員300人、パート・アルバイト5000人ということなので、上場できる規模と言えるでしょう。
消費増税で外食産業では逆風が吹いていますが、そんな中、バイキングチェーンという珍しい業態はどのように運営されているのか。浅草に店舗があるので行ってみました。
浅草のすたみな太郎は、ドン・キホーテとサイゼリヤという安さの象徴のようなお店と同じビルにあります。
店舗の外見は、決して洗練されたものではありません。しかし、お盆とあって家族連れがたくさん訪れていました。
営業時間はランチが11時~15時、ディナーが17時~23時30分。ランチタイムに訪れたのですが、1512円の60分コースと、1728円の90分コースがありました。値段が200円しか変わらないので、90分コースを注文。ランチの食べ放題としては1時間1000円前後の店も多いので、決して安くはありません。
バイキングの料理は、入り口のそばに並べてあります。
すたみな太郎のメイン料理は、その名からも分かるように焼肉。牛肉、豚肉、鶏肉とまんべんなくそろっていて、部位もカルビやハラミから、ホルモン、ハツ、レバー、タンまであります。
ただ、同じ肉でも、例えば豚はらみでは醤油ダレ、味噌ダレの2種類を用意しているなど、品数の水増し(?)のような涙ぐましい努力もしていました。
もちろん、肉と一緒に焼く野菜もあります。
とりあえず加工肉のプレミアムカルビを取ってきて、焼いてみました。高い肉の味ではなかったですが、スジが目立つこともなく、食べやすいものに仕上がっていました。
もともと肉は味付けしてありますが、テーブルにも醤油だれと甘だれを置いています。ただ、焼肉を売りにするのであれば、もうちょっといろいろあってもいいんじゃないかなと思ったり。
焼肉のほかにもさまざまな料理があります。
まずはお寿司。ただ、バイキングなので高いネタではなく、まぐろやサーモン、玉子、タコ、イカ、エビなど、回転寿司でいう2貫200円以下のネタが中心。心なしか、サイズも小さめのように感じます。
主食系ではガーリック炒飯、揚げパン、カレーも。
揚げ物には鶏の唐揚げ、ポテトフライ、たこ焼き、ピザ。
サラダ系はトマトやブロッコリー、コーン、レタスなどおなじみのラインアップ。
デザートには、小分けされたケーキやゼリー。アイスクリームもあります。
そして、すたみな太郎の面白いのは、自分で作るタイプの料理が多くあること。浅草店はNEXTという名前がついた次世代型店舗なのですが、この店舗ではこういう料理が多く用意されているようです。
まずはラーメン。これはほかのバイキングでも見かけたことがあります。
そして串焼き。串ネタの種類はエビ、ウインナー、しいたけの3種類。パン粉にまぶして、1分ほど油で揚げて作ります。
特に充実しているのがデザート系。まずはかき氷。
その隣にクレープとソフトクリーム。
さらに隣にポップコーンと綿あめ。
チョコレートフォンデューはちょっと珍しいですね。
料理を見ていて全体的に思ったのは、原価の安さと、子どもが好きな料理にこだわって用意していること。自分で作る料理を多く用意しているのも、子どもウケを考えてのことでしょう。
子どものハートをつかめば、家族で来店してくれるという狙いがあるのではないでしょうか。店内に4~6人用のテーブルしかないのも、ターゲットをファミリーに絞っていることの表れでしょう。バイキングチェーンで学生をターゲットにしても儲からないですからね。
また、オペレーションがしっかりしていることも印象的。動く方向や時間もルールで決められているようにみえました。細かい工夫もしていて、例えば串焼きコーナーでは「ここに立って揚げるんですよ」と足形で示しています。
また、ご飯コーナーでは、”国産米使用”とわざわざうたっています。関税のおかげで、普通は国産米になるはずなのですが、「アピールできるところはしておけ」という貪欲さを感じました。
ランチとしてはやや高めの価格帯なのですが、店内は非常に賑わっていたのが印象的。バイキングチェーンという珍しい業態がここまで受け入れられているのを見ると、どこまで独走できるのかということが楽しみになったりしました。