先日、都民ファーストの会の規約についてブログに書きました(“ブラックボックス”な都民ファーストの会の規約を開示請求して全文公開しようとしたら問題があったので概要を説明します)。情報開示請求などで規約を確認した人はほかにも何人かいたようですね。
→都民ファーストの会規約を読んだが、代表選考はブラックボックスだった(パテントマスター・宮寺達也のブログ)
→新代表選出で話題「都民ファーストの会」規約ってどんなの? 弁護士が分析(弁護士ドットコム)
規約の全文公開については著作権の問題があるので、都民ファーストの会事務局(info@tomin1st.jp)に9月22日16時までで期限を区切って、全文公開の可否を問い合わせていたのですが、先ほど返信が来ました。
あっさりOKがでたので、ちょっとビックリしてメールアドレスも確認。
というわけで、都民ファーストの会規約を全文公開します。最新の第5版はテキストに起こしたのですが、第1~4版はスキャンした画像を張りつけています。「ぜひ公式サイトにも掲載してください」と都民ファーストの会にも返信したのですが、若い政党が健全に発展していくことを願っています。
▼都民ファーストの会規約(最新の第5版、2017年8月10日~)
<前文>
私たち都民ファーストの会は都民の大きな期待とともに誕生した地域政党である。この地域政党は、企業のような一体的な意思決定に基づく管理、運営を目指す。本規約は創業期に鑑みた時限的なものとする。
<総則>
第1条 本会は「都民ファーストの会」と称し、事務所を東京都に置く。
第2条 本会は、その綱領、政策及び決議等を実現し、もって日本、東京都、地域社会の発展のために貢献することを目的とする。
第3条 本会は、綱領に賛同し、規約を遵守する個人をもって構成する。
<会員>
第4条 会の綱領及び規約を守り、その政策及び決議等を実現するための活動に参加しようとする十八歳以上で日本国籍を保持する者は、わが会の会員となることができる。
2 入会しようとする者は、会員1名以上の紹介により所定の事項を記載した入会申込書を提出し、会本部の承認を受けなければならない。
3 会員の種類、会員の権利及び義務については細則で別に定める。
第5条 離会しようとする者は、所定の事項を記載し本部に届け出なければならない。
第6条 離会した者が再び入会を希望するときは、会紀委員会の承認を得なければならない。
<役員>
第7条 本会に、次の役員を置く。
代表、代表代行、幹事長、総務会長、及び政務調査会長
第8条 代表については代表選考委員会を設置し選考する。代表選考委員会については細則で別に定める。
2 代表以外の役員は、代表の指名により選出する。
3 各役員の任期は2年とする。但し再選を妨げない。
第9条 代表は、本会の最高責任者であって、会を代表し、会務を総理する。
2 代表は、代表代行、幹事長、総務会長、及び政務調査会長を指名することができる。
3 代表は代表補佐を置くことができる。
第10条 幹事長は、代表を補佐し、会務を執行する。
2 幹事長は幹事長代理及び副幹事長を置くことができる。
第11条 総務会長は、総務会を所掌する。
第12条 政務調査会長は、政策の調査研究および立案を所掌する。
<役員会>
第13条 役員会は代表が招集し、予算、決算、綱領、本規約の変更、基本政策、議会人事、活動報告、活動方針、細則、各級選挙の候補者への公認又は推薦、その他代表が必要と認めることを決定することができる。
2 役員会は、代表、代表代行、幹事長、総務会長、及び政務調査会長で構成する。
3 役員会の定足数は役員の1/2とし、出席役員の過半数をもって決定し、可否同数の場合は、代表がこれを決する。
4 代表が必要と判断した場合、役員会の出席者を増やすことができる。ただし、決定権は2項の構成員に限る。
5 代表が必要と判断した場合、役員及び各役員代理(9条3項、10条2項、14条2項、及び15条2項に基づき置かれる補佐職及び副会長職を含む。)、並びに代表が指名する者から構成される役員連絡会を開催することができる。
<総務会>
第14条 総務会は、役員会決定事項のうち特に必要と認める事項を審議し、議決することができる。
2 総務会長は総務会長代理、副総務会長を置くことができる。
<政務調査会>
第15条 政務調査会は政策の調査研究及び立案ができる。
2 政務調査会長は政調会長代理、副政調会長を置くことができる。
<諮問機関等>
第16条 本会に、特別顧問及び顧問を置くことができる。
2 特別顧問及び顧問は、代表の諮問に応じて随時意見を述べることができる。
3 特別顧問及び顧問は、代表が委嘱し、役員会へ報告する。
<教育機関>
第17条 本会に、会の綱領及び政策等を学び、政策の調査研究を行うための教育機関である「希望の塾」を設置する。
2 教育機関には会員でなくても所属することができる。所属している期間に役員会が認める者は特別会員となる。
<地方組織>
第18条 会の地方組織は、総支部及び支部とする。
2 役員会は、政治活動に資するため、各級選挙における選挙区に支部を置くことができる。
3 役員会は、前項により設置した支部を廃止することができる。
4 支部は役員会の承認なく、支部の構成員を承認、決定することはできない。
5 支部の構成員は会員に限る。
6 支部は役員会の承認なく、いかなる議会においても「都民ファーストの会」及び類似する会派名の会派の発足、承認、合併、解散をすることはできない。
7 支部は役員会の承認なく、当該地域に発足した「都民ファーストの会」及び類似する会派名の会派に議員を加入させることはできない。
8 支部は役員会の承認なく、いかなる選挙においても特定の候補者に支部推薦を出すことはできない。
<規律機関等>
第19条 会の規律を保持するため、会紀委員会を置く。
2 会紀委員会は、代表、代表代行、幹事長、総務会長、及び政務調査会長で構成し、会紀委員長は幹事長とする。
3 会紀委員会の定足数は委員の1/2とし、議決は出席役員の過半数をもって決し、可否同数の場合は、委員長がこれを決する。
4 委員長が必要と判断した場合、会紀委員会の委員を指名することができる。
第20条 会活動へ功績のあった会員に対し、表彰をすることができる
第21条 会紀委員会は、会員が次の各号のいずれかの行為をしたときは、処分を行う。
I.綱領または規約に背く行為をしたとき。
II.会の名誉を傷つける行為をしたとき。
III.会の団結をみだす行為をしたとき。
IV.会の決議または役員会の決定に背く行為をしたとき。
V.会の公認または推薦候補者を不利に陥れる行為をしたとき。
VI.その他会紀委員会において会規律をみだすものと認めたとき。
2 処分は、戒告、役職停止、選挙における非公認、会員資格の停止、離会勧告及び除名とする。
3 前項の処分に不服のある者は、幹事長に対し理由を明らかにし審査の請求をすることができる。
4 会紀委員会の審査を行うに当たり、本人から請求があったときは、これに対し一身上の弁明をする機会を与えなければならない。
第22条 幹事長は、会員が第21条に挙げる行為をしたときに、会紀委員会へ諮ることなく、会則の遵守の勧告、戒告の処分ができる。
2 前項の処分を行った場合、直近の役員会において報告しなければならない。
3 1項の処分に不服のある者は、幹事長に対し理由を明らかにし、会紀委員会へ再審査の請求をすることができる。
4 幹事長が処分を行うに当たり、本人から請求があったときは、これに対し一身上の弁明をする機会を与えなければならない。
<会財政及び会計、会計監査>
第23条 会財政は、会費、寄附金及び機関紙誌の発行事業収入等によって賄われる。
2 会費は、会本部に納める。
3 本会の会計年度は、毎年1月1日より12月31日までとする。
第24条 会計監査は会計年度ごとに受けなければならない。
<本部・委員会等>
第25条 本会に、組織本部、広報本部、女性活躍推進本部、選挙対策委員会、その他委員会が必要と判断した組織を設置することができる。
<細則>
第26条 代表は、本規約の実施に必要な事項について、別途細則を定めることができる。
本規約の有効期限を平成31年4月1日までとし、改定がない限り、有効期限は延期されるものとする。
▼都民ファーストの会・規約(第1版、2016年9月12日~10月5日)
都民ファーストの会の設立時の規約は2016年9月12日に提出されています(発足は9月20日)。1ページのみのシンプルな規約で、会の事務所(東京都北区上十条2-25-14)は、立ち上げで中心となった音喜多駿議員の事務所と一致しています。
現行規約と異なっている点は、会長を含む役員は総会で選出となっていること。
▼都民ファーストの会・規約(第2版、2016年10月6日~2017年1月13日)
最初の規約改定が行われたのは2016年10月6日。変更内容は、第一条の事務所の住所だけ。主たる事務所の東京都豊島区高松3-11-20-101は、会に加わった豊島区議の本橋弘隆さんの事務所が近いので、その関係ではないかと。
▼都民ファーストの会・規約(第3版、2017年1月14日~4月3日)
2回目の規約改定が行われたのは2017年1月14日。こちらも変更内容は、第一条の事務所の住所だけ。1月23日に地域政党として正式に発足し、野田数氏が代表となったので、その関係の場所かもしれません。
▼都民ファーストの会・規約(第4版、2017年4月4日~8月9日)
3回目の規約改訂は2月5日投開票の千代田区長選挙で圧勝した後の4月10日。4月11日に党綱領を発表する直前なのですが、ここで大きく変わります。
代表を代表選考委員会を設置して決めるようになったほか、追加する幹事長や政務調査会長を含めた役員が代表指名で決まるように。また、役員任期が1年から2年に伸びます。そして総会の規定がなくなりました。
そして8月10日に前述の現行規約に改定されるわけですが、代表が細則を定められるといったことや、役員に代表代行、総務会長が追加されたりしました。ちなみに都民ファーストの会は、細則を提出していないので、その詳細は分かりません。
弁護士ドットコムの記事では代表選考についての細則もどこからか入手しているようです。