森友学園への国有地売却に関する公文書書き換えが問題となっている財務省。「宇宙人が攻めてきて公文書を情報源に人類を滅亡させようとしてる」場合は公文書を書き換え…というか廃棄してもいいんじゃないかと個人的には思いますが、基本的には説明責任などの面から許されざることです。
いろいろごたごたがある中、採用シーズンに入ったということから、霞が関では「霞が関OPENゼミ」という省庁の仕事に関心がある人向けの広報イベントが3月13・14日の2日間行われており、財務省も参加しています。
一見、就活生向けのイベントのように見えるのですが、概要に「所属大学・学年等に関わらず」「採用・選考活動とは一切関係ありません」とあって、誰でも参加して良さそうなので僕も参加することに(実は採用に関係するらしい)。今すぐはないですが、将来、財務省で働く可能性もありますし。
その内容をツイートしていたので、ここでまとめておきます
霞が関OPENゼミという省庁広報イベントがあるので、財務省本省の説明会にやってきた。「所属大学・学年等に関わらず」「採用・選考活動とは一切関係ありません」と僕も参加して良さそうなので、公文書書き換えが判明した直後、志望者にどんな説明をするのかこの目で確認したい https://t.co/BbVa3EXKa6 pic.twitter.com/GQKZvVCc2x
— すずき@チロルチョコ専門店 (@michsuzu) 2018年3月14日
財務省本省説明会の会場は財務省4階の講義室。他者に厳しい予算を要求する立場から、財務省の建物は結構ボロいままです。部屋の壁には歴代財務・大蔵大臣の写真を掲示。参加者は50人ほどで、女性も目立っていました。
財務省本省の業務説明会、冒頭から書き換え問題について言及してた
— すずき@チロルチョコ専門店 (@michsuzu) 2018年3月14日
司会:財務省の決裁文書の書き換えが判明して、各方面からお叱りをいただいているところです。それについて真摯に受け止めて反省して、こういったことが二度とないようにしなければならないと思っています pic.twitter.com/LAIrgxmD1f
司会:一回、こうした信頼を失うと、回復するのは極めて困難。長く時間がかかることは分かっています。が、地道に取り組むしかないかなというのが、職員一同、私を含めてですけど、そういった思いを抱いているところです pic.twitter.com/SRbBVmkkVQ
— すずき@チロルチョコ専門店 (@michsuzu) 2018年3月14日
司会のあいさつの後、主計局の文部科学担当主計官が、予算策定の流れについて1時間ほど説明(国家予算97兆円のうち5兆円ほどを担当)。
最後に30分間ほどの質疑応答がありました。
質疑応答で普通の志望者は聞きにくいはずなので、代わりに僕が聞いた
— すずき@チロルチョコ専門店 (@michsuzu) 2018年3月14日
Q 公文書書き換えは公文書管理法にただちに違反しないですが、趣旨には明らかに反します。上司から書き換え指示を受けた場合、現実問題、拒否できるのか。また、どこかに通報して、指示した人がペナルティを受ける仕組みはあるのか
モラルでなく、仕組みで公文書の書き換えを防ぐようにしないと、同じことは繰り返されると思うんですよね。一番大事なのは、財務省に公文書管理を徹底しようとする意志があるかどうかでもあるのですが。開示請求を回避するため、公文書でなく私的メモで、できるだけ情報を記録している人もいるそうですし。
財務省主計官:書き換えの問題についてお騒がせしていることは申し訳なく思いますし、信頼を回復していくのが我々がやらなければならないことだと思っています。書き換え自体がこれ以外にあるかということについては、そんな経験が僕はあったことがありませんし、ないと思います
— すずき@チロルチョコ専門店 (@michsuzu) 2018年3月14日
自分以外のことについては「思います」と言葉を濁しつつも、自分については「ない」と断言したのには「おっ」と感じました。
財務省主計官:そういうことを指示することは当然ありえないことだと思いますし、法律にのっとってちゃんと対応していくのが、我々公務員のあるべき姿だと思います。いずれにしてもちゃんと国民のためになるような業務をしていくのが大事なことだと思いますし、これまでも私はそうしてきたつもりです
— すずき@チロルチョコ専門店 (@michsuzu) 2018年3月14日
財務省主計官:もしみなさんが公務員の世界に入って、仕事をされるようなことがあれば、そういった心づもりで当然にやっていただきたいと思いますし、みんなそういったつもりでやっていると思います
— すずき@チロルチョコ専門店 (@michsuzu) 2018年3月14日
Q システムとして通報するところはあるのでしょうか
— すずき@チロルチョコ専門店 (@michsuzu) 2018年3月14日
財務省主計官:公益通報のシステムはある…と思います。そういった事例があるわけではないですが、具体的にどこにどう通報するかはよく理解はしていないですが、当然にそういうことがないようにしないといけないですし、ないはずだと思っています
通報のシステムについて言いよどんでいたのは、あったとしても使われていないし、一般的な方法ではないんだなという印象。
講演内容の文部科学予算の作り方は、数字の根拠の算定過程が分かって興味深かった。科研費の基礎研究部分は減らしてないと強調してたのが、ちょっと面白かったところ。最前列中央で堂々と録音しながら聞いても何も言われなかったし、質疑応答も制限なしで受けて立つ形だったので、財務省の矜持を感じた pic.twitter.com/ZMu2kTh7Fp
— すずき@チロルチョコ専門店 (@michsuzu) 2018年3月14日
財務省にとってはウザい質問なのですが、個人的にはこういう場所でも聞くことが財務省のためにもなると思っていて、これによって書き換えを強要された時、「採用の場でも突っ込まれるので」と断るひとつの動機になるはずなんですよね。
財務省の担当者は非常に優秀なので、こうした場末のブログやTwitterもチェックしているでしょうから、うまく活用していただければと思います。