グッチやエルメスといったブランド店が立ち並ぶ銀座。地価も非常に高く、セレブな商業エリアとしても知られています。
しかし、そんな中で下町の雰囲気を漂わせている場所がありました。それは三原橋地下街。1952年に完成した地下街で、現存する地下街としては国内最古と言われるところです。
「ありました」と書いたのは、耐震性の問題から三原橋地下街の取り壊しが決まり、4月27日には最後まで営業していた三原カレーコーナーが閉店したから。その最後の日に訪れてきたので、写真を中心にアップしておきます。
→国内最古の銀座・三原橋地下街 最後の店閉店(朝日新聞デジタル)
これが三原橋地下街の入り口。東銀座駅と銀座駅の間の晴海通りにあります。銀座とは思えないほど、年月を感じさせる風情です。
看板にある銀座シネパトスは、すでに3月31日に閉店しています。銀座シネパトスは主にピンク映画を上映していて、近隣で働くサラリーマンの憩いの場になっていたとか。銀座とピンク映画という取り合わせには、ちょっと面白いものがありますね。
お店の表示は三原カレーコーナーだけが残っています。周りの空白がさびしいです。
その三原カレーコーナーも最終日は通常営業を昼で終え、僕が着いた夕方ごろには打ち上げのようなことをやっていました。みんな顔なじみのようで、わきあいあいと盛り上がっていました。
ドアには「ありがとう50年」との張り紙。長い歴史があるだけに、集まっているのも年配の人がほとんど。
営業を終えた三原カレーコーナーですが、店頭サンプルを見ると、カレーライスが500円、とんかつ定食が700円と銀座にしては高くないですね。
周辺の店舗が閉鎖されていたり、移転のお知らせが張ってあるのを見ると、なんかさびしくなります。
取り壊しの経緯でごたごたがあったようで、マンガのテルマエ・ロマエのセリフを付けかえて抗議していたりもします。
ただ、取り壊しも正式に決まったわけではなく、保存・再生を願う学生らの呼びかけをきっかけに、建築家や研究者が「三原橋の将来を考える会」を発足させて、地下街を残す可能性を探っているそうです。
親睦会のような場に僕のような部外者がずかずかと入っていくのは無粋なので、この日は写真を撮っただけで撤退。
日を改めて行くとシャッターが下りて入れなくなっていました。このまま取り壊されてしまうとなれば、このブログの写真も貴重な資料となるのかもしれませんね。