身近な娯楽施設として、昭和のころから愛されてきた屋上遊園地。デパートの拡大とともに数を増やしてきましたが、ここ数年、閉園するところが増えています。
歴史的な意味もありそうな屋上遊園地。僕もいくつかの屋上遊園地を閉園日に訪れ、記録に残してきました。
→観覧車が有名な蒲田・東急プラザの屋上遊園地の閉園に立ち会ってきた
そして今回、マンガ『ハイスコアガール』の作者である押切蓮介さんのツイートで、ドン・キホーテ溝ノ口駅前店(旧・長崎屋溝ノ口店)にある屋上遊園地が7月31日に閉園することを知りました。
溝ノ口の元長崎屋の屋上にあるちびっこランドが三日後に無くなるみたいです。取材でたまたま今知ってびっくりしました。ここは初めてスト2をやった場所でありカツアゲの恐怖に怯えたり大変思い出深い所でした。感慨深いです。
— 押切蓮介 (@rereibara) 2014, 7月 28
溝ノ口は神奈川県なので、僕が住む秋葉原からはちょっと遠いのですが、せっかくなので最後の日に行ってみることにしました。
ドン・キホーテ溝ノ口駅前店は東急溝の口駅から5分ほど歩いた場所、昔ながらの商店街が立ち並ぶ中にあります。
“ちびっこランド”という名前の屋上遊園地があるのはドン・キホーテの最上階である7階。このビルはドン・キホーテのほかにヤマダ電機や手芸用品のユザワヤなども入っていて、なかなかカオスです。
ちびっこランドの入り口のドアには「ちびっこランドは7月31日で閉園になります ※長い間ご利用頂き誠にありがとう御座いました」との張り紙。ドアの向こうには閉園を惜しむお客さんや、一眼レフカメラを持った屋上遊園地ファンたちが来ていました。
ちびっこランドは大きく2つのエリアに分かれていて、屋外には遊具、屋内にはメダルゲームなどが置いてあります。
まずは屋外の遊具の方から見て回ることにしました。メインは電車やメリーゴーランド、ロボットのような定番の乗り物です。アナログ全開のデザインが時代を感じさせてくれます。
奥の方には、お金を使わなくても遊べるすべり台も置いてありました。
長崎屋はドン・キホーテに2007年に買収されたのですが、看板にまだその名残りがありました。
柵越しに下の様子も見られます。良い雰囲気なので、ランチの場所としてはちょうどいいかもしれません。
屋内のメダルゲームコーナーは次画像のような感じ。
メダルゲームのほかにも、エアホッケーやUFOキャッチャーもあります。意外だったのは、屋上遊園地定番のワニワニパニックがなかったこと。押切さんのツイートにあるように、昔はビデオゲームも置いていたそうです。
押切さんは別のツイートで新幹線の乗り物についての思い出も語っています。
閉鎖前のちびっ子広場で僕が小学生の時からあった新幹線の乗り物があって、最後の中年の乗客になろうと乗ったんです。多分廃棄されるであろうその新幹線が二周した後音声で「バイバイ、マタネ、バイバイ、マタネ」って言うんです。 うるっときた pic.twitter.com/QeaUXIDsRx
— 押切蓮介 (@rereibara) 2014, 7月 28
そこで僕も乗ってみることにしたのですが、大人の重さには耐えられなかったようで3メートルほど走ったところで脱線。すぐに直してもらったのですが、スタッフの方にはご迷惑をおかけしました……。
しょうがないので、無人で走る様子を動画で撮ってみました。押切さんのツイートの通り、走り終わった後に「バイバイ、マタネ、バイバイ、マタネ」という音声が流れています。
ちびっこランドの営業時間は10~18時なのですが、最終日とあって18時30分過ぎまで延長していました。ただ、最終日に数百人が集まった上野松坂屋や蒲田・東急プラザより人は少なく、集まったのは20人ほどでした。
ドン・キホーテの地下にはパチンコ店、近くには多くのゲームセンターがありました。ほかの娯楽施設が充実してきたので、屋上遊園地の役割も終わってしまったのかもしれません。
全体の様子も撮ってきたので参考までに。