7月8日に米国で配信されて以来、世界中で大ブームを巻き起こしている『ポケモンGO』。日本でも7月21日に配信されたのですが、その人気に乗っかろうという動きも鳥取県などから出てきています。
→夏休みは鳥取砂丘でポケモンＧＯ 「ゲーム解放区」宣言（NHKニュース）
歩きスマホが問題となっていることもあり（「「鉄道施設内でポケモン出現しないよう設定を」 鉄道事業者23社および日本地下鉄協会が「ポケモンGO」に要請書提出」）、安全に遊べる場を提供しようという意図があるようなのですが、正直、それだけで人は集まらないと思うんですよね。
ポケモンを呼び寄せるルアーモジュールを常時使うなどしても、それはポケストップがあるなら、どこでもできること。一番大事なのは、やはり魅力的なポケモンが現れることになります。
では、どういうポケモンが現れると、観光地になれるのか？ 僕は大きく3つの条件があると思います。
（1）レアポケモン
当たり前ですが、なかなか他の場所では出現しないレアポケモンがいること。いくらたくさんポケモンが出る場所だといっても、ドードーばかりでは誰も来ないでしょう。
（2）進化の素材として必要なポケモン
ポケモンGOでは低位のポケモンを捕らえてアメを一定数集めることで、高位のポケモンに進化させられます。そのため、低位のポケモンを多く捕まえないといけません。
どれだけ見つけにくいポケモンでも、進化させられないなら1体捕まえるだけで十分（図鑑埋めが目的の場合）。僕はベロリンガというレアポケモンを手に入れるため、亀戸中央公園に行ったのですが滞在時間はわずか5分でした。一方、進化に必要な低位のポケモンをたくさん捕まえるなら、数時間の滞在が必要なため、その場所にある店舗が潤うというわけです。
（3）高位のポケモンが強い
（2）とも関連するのですが、進化先の高位のポケモンが強いと、ジムバトルで活用することになります。その際、より有利に戦うため、厳選する需要が発生します。そのため、低位のポケモンをより多く捕まえることになるのです。
▼世田谷公園とフジテレビのメリット
この3つの条件を勘案すると、最も適したポケモンはレアポケモンのミニリュウとなります。ミニリュウはハクリューを経由して、カイリューに最終進化するのですが、そのカイリューがジムバトルで現状最強とされているのです。
ミニリュウだけでカイリューまで進化させようとすると、必要な数は30数体。観光地に長居してもらうためには十分な数です。
そのミニリュウが恒常的に現れる“巣”となっているのが世田谷公園。詰め掛けるポケモンマスターたちがのどを潤すため、近くの自販機ではジュースが軒並み売り切れているという話です。
また、ミニリュウは出ませんが、（1）と（2）の条件をクリアしているのがお台場。進化可能なコイルやビリリダマが大量に出現するのです。
フジテレビはお台場みんなの夢大陸というイベントを展開しており、お台場は陸の孤島でもあるので、集客にかなり貢献するのではないでしょうか。業績にもインパクトがありそうですが、先日の超荒れていた株主総会で言及はありませんでしたね（「嫌なら見るな」とフジテレビが発信したことはない－フジ・ メディア・ ホールディングス 2016年株主総会の内容まとめ）。フジテレビにとっても、意外なヒットだったのかもしれません。
実はフジテレビはポケモンGOを開発しているNiantecの株主（『Ingress』のNiantic, Inc.がフジテレビなどからシリーズAの投資として500万ドルの追加資金を調達を発表）。そういった関係から、優遇してもらっている面もあるのかもしれません。
▼観光地になれない鳥取砂丘
一方、ポケモンGOのゲーム解放区になろうとしている鳥取砂丘は、ポケモンの出現数が少ない上に、レアポケモンがいません。これでは観光地として成立しません。
ポケモンGOでの観光客増加を狙いたいなら、もともとある観光地を活用するのではなく、ミニリュウがいる場所を観光地に変えるという逆転の発想が必要になります。行政主導ではなかなか難しいかもしれないですが。
あと飲食店などでは、ちょっとだけ席を外してもいいルールにしてほしいですね。店から離れた場所に欲しいポケモンが出現した時、精算しないといけないのは面倒なので。
追記：7月30日0時に出現ポケモンが入れ替わったので、何らかのレアポケモンの巣となっていることが重要そうです
