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新海誠監督の次回作内容を公式情報ゼロから大胆予想する

 映画『天気の子』公開から1年。

 新型コロナの影響で映画業界は大変なことになっていますが、終息後の世界に向けた作品制作も水面下で進められています。

 『君の名は。』『天気の子』と2作連続で興行収入100億円超えを果たした新海誠監督も、新作と向き合っているクリエイターの一人。ツイートによると、『天気の子』と同じようなペースで制作しているようです。

 まだ制作を始めたばかりの段階なので、新作情報はまったく公開されていないのですが、実は新海監督の場合、作風に特徴があるため、ある程度、内容を予想できる部分があります。

 そこで今回は、公式情報ゼロから次回作の内容を予想してみました。過去作の傾向から予想する都合上、過去作のネタバレも含まれるので、未見の方はご注意を。

(1)時間や場所を超えた男女の心のつながりがテーマ(確度90%)

 これは新海監督のすべての作品に共通すること。

 主人公とヒロインは必ず、どこかで別れるようになっています。次回作もそうなるでしょう。

 別れてから出会わないのがかつての新海監督で、再会するのが今の新海監督ですが、最近はエンタメ志向であることを明言しているので、次回作も再会するんじゃないかと思います。

(2)普及が進んだテクノロジーが出てくる(確度90%)

 新海監督は最先端のテクノロジーは扱わないのですが、多くの人が使うようになったテクノロジーは時代特有の風景として使う傾向にあります。

 『ほしのこえ』のメール、『秒速5センチメートル』のプログラミング、『君の名は。』のスマホ、『天気の子』のWebサイト構築やTwitter、ヤフー知恵袋などなど。

 じゃあ次回作では何を出すかというと、本命は動画サイトでしょう。

 メインキャラの1人くらいは動画投稿者・配信者で、がっつりストーリーに関わってくる可能性さえあります。動画を通じてしかコミュニケーションできない2人ということであれば、時間や場所を超えた男女の心のつながりという新海作品のテーマにもぴったり合いますしね。

 スマホゲームやバーチャルユーチューバー、外出自粛で普及したZOOMやUber Eatsなども候補ですが、みんなが馴染んでいるものではないので、ちょっと落ちる感じがします。

(3)誰もが共感できる幅広い年齢層、性別のキャラクターが登場(確度90%)

 これは国民的映画にとっての必須条件。誰もが自分ごとのように感情移入できる対象を入れる必要があります。

 製作委員会からは「2022年に49~52歳となる団塊ジュニア世代の登場人物を出してほしい」というリクエストが来ているかもしれません。

(4)2022年夏が舞台(確度70%)

 『言の葉の庭』(2013年)、『君の名は。』(2016年)、『天気の子』(2019年)と映画公開と同時期が舞台となることが続いています(『君の名は。』は時間トリックがあり、『天気の子』は正確には2021年夏の話)。

 新型コロナの影響でスケジュール変更もありそうですが、次回作の公開はおそらく『天気の子』の3年後である2022年夏。

 2022年には北京冬季オリンピック(2月)、カタールFIFAワールドカップ(11~12月)といった世界的イベントもあります。ただ、そういったイベントはコロナで日程が動くこともありそうですし、過去作でも触れていないので、次回作でも扱わないでしょう。新海作品は中国ファンも多いので、製作委員会的には内容に中国を入れたさそうではありますが。

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 『天気の子』冒頭でバニラトラックが出てきたように、その時代特有の風景のようなものは出してくるでしょう。

 ちなみに国内的にはジブリパークが2022年秋に開業するほか、3年ごとに行われる参議院議員選挙がまた重なる予定です。フィクションでは2022年11月6日に『ソードアート・オンライン』の正式サービスが始まりますが、さすがにこれは絡められないでしょう(宣伝でコラボする可能性はあります)。

(5)前作のキャラクターが登場する(確度70%)

 『君の名は。』に『言の葉の庭』のユキノ先生、『天気の子』に『君の名は。』の瀧と三葉が出てきたように、次回作には『天気の子』の帆高と陽菜が登場するでしょう。前作を観た人に次回作も観てもらう動機付けにもなりますしね。

 難しいのは『天気の子』の設定との兼ね合い。

 『天気の子』は2021年夏が舞台なのですが、次回作が公開される2022年に帆高は17歳で、陽菜は16歳。しかも、この時、帆高は神津島で保護観察処分中なので、物語に絡めるのが難しそうなんですよね。

 なので東京にいて使いやすそうな須賀圭介さんが登場するかもしれません。まあ最大の問題は、2022年に東京が沈みかけていることですが。

(5)現実世界の問題を絡めてくる(確度50%)

 東日本大震災や台風といった天災を、『君の名は。』では隕石、『天気の子』では大雨という形で物語に取り入れてきました。多くの人に共感してもらう上でも、次回作でも現実世界の問題を絡めてくるでしょう。

 一番可能性が高いのは、やはり新型コロナウイルス問題。

 「ありふれた日常が変わってしまう」という物語を作りやすそうですが、コロナの問題は制作を進めてから起こったことだと思われるので、メインに入れ込むことは難しいような気もします。

(6)盛り上がる局面が複数ある(確度90%)

 『君の名は。』『天気の子』制作時に使った感情曲線は、次回作でも活用してくるでしょう。

 新海作品の特徴として「キスしない」というものがあるのですが、キス以上できない制約下だと、恋愛だけで複数の盛り上がりを作るのが難しいんですよね。なので恋愛+仕事(何らかのミッション)の成功で盛り上がりを作っていく形になると思います。

(8)ミュージシャンと組む(確度90%)

 『君の名は。』『天気の子』でRADWIMPSと組んできた新海監督。『秒速5センチメートル』の『One more time, One more chance』(山崎まさよし)、『言の葉の庭』の『Rain』(秦基博)も印象的でした。次回作でもミュージシャンと組むことは間違いないでしょう。

 では誰と組むのか?

 過去2作が好調だった流れを引き継ぐならRADWIMPSなのですが、僕はその確率は低いと思っています。『君の名は。』から変えていこうという判断からか、『天気の子』ではボーカルに三浦透子さんを起用しているんですね。次回作も何かしら変えないといけないという判断があるなら、RADWIMPS以外になるのではないかと。

RADWIMPS野田洋次郎、“最後”のような気持ちで臨んだ「天気の子」は「攻めている」(映画.com)

 可能性が高いのは2人。

 1人目は米津玄師さん。『パプリカ』を踊るFoorinには新海監督の娘さんも所属しています。

 2人目はヨルシカ。すでに大成建設のテレビCMで一緒に仕事をしています。

 新海監督Twitterのフォロー欄から推測する手もあるのですが、新海監督は古参のネットユーザーなので、ここでボロ(?)を出す可能性は低いんじゃないかとないかと思います。RADWIMPSの野田洋次郎さんをフォローしたのも、『君の名は。』の情報公開後なんですよね(脇が甘いプロデューサーのフォロー欄をチェックした方がいいかも)。

 逆に言うと、「新海監督が米津玄師さんやヨルシカを今、フォローしていないのは、情報公開していないから」という推測も成り立ちますが。個人的には一時期フォローしていたエドガー・サリヴァンさんを今は外しているのが気になっています。

 『君の名は。』公開1年後、新海監督が野田さんに脚本を「ちょっと見てほしい」と送って、その後、劇伴が決まったようなので、スケジュールが同じなら、次回作の劇伴はまだ決まっていない可能性も高いと思います。

新海誠監督×RADWIMPS野田、『天気の子』で深まる絆「できることはまだあるかい」(ORICON NEWS)

 なお、エンディングでなんかいい感じの曲が流れる確率は100万%です。

(9)めっちゃタイアップする(確度90%)

 『天気の子』ではやたらタイアップがあって、作中に日清食品のカップラーメンまで出てきましたが、これは次回作でも継続されるでしょう。

 中でも間違いなく組むだろう企業が『君の名は。』『天気の子』と連続で製作委員会に入っているJR東日本とローソン。

 新海監督は新宿駅が好きなので、言われなくても作中に出てくるでしょうが、JR東日本としても何らかのプロモーションをするはずです。新宿周辺の都市計画を調べると、次回作に出てきそうなものも分かるかもしれませんね。

 ローソンでは作中の食べ物が商品化されるでしょう

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 なおKADOKAWAから新海監督の小説が出る確率は100億%です

■答え合わせは2年後

 こうした予想(?)が当たるかは映画公開後のお楽しみとなるわけですが、一応、証拠としてページの魚拓をとっておきました。

 新海監督は場外戦のようなものも好きで、例えば『天気の子』の感情曲線については映画公開2年前にこっそりツイートしてたりするんですよね。

  映画の予告編も、よく見るとラストシーンのネタバレをしていたりします。

  そういったところもチェックしながら、次回作を楽しみに待ちたいところです。