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なにか役立つことを書きたいです

“ブラックボックス”な都民ファーストの会の規約を開示請求して全文公開しようとしたら問題があったので概要を説明します

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 小池百合子都知事の高支持率を背景に、7月2日の都議会選挙で圧勝した都民ファーストの会。

 選挙直後、小池百合子氏は二元代表制などへの懸念を理由に代表を辞任、初代代表の野田数氏が後任となりました。それは筋が通っているといえば通っているのですが、そのわずか2カ月後の9月11日、今度は野田氏が特別秘書に専念することを理由に代表を辞任、荒木千陽氏が代表選考委員会で後任に選出されたとの発表がありました。

 短期間で代表交代が続いたことも気になるのですが、最大の問題は代表選考委員会というブラックボックスで公党の代表が決まったということ。多くの政党では代表選挙などを通じて、党員全体の意向が反映されるようになっているのですが、報道によれば都民ファーストの会はごく少数の役員(小池百合子特別顧問、増子博樹幹事長、山内晃政調会長)の合意のみで後任の代表を決め、「詳しい状況はまったく把握していない」という所属議員もいたとか。

 →青天の霹靂。都民ファーストの会代表交代(音喜多駿公式サイト)

 →新代表選任。言うべきことはしっかりと言い、都民のために議論を尽くします(音喜多駿公式サイト)

 新代表の会見では「規約にのっとって代表選考委員会を開いた」と増子博樹幹事長がコメントしているのですが(動画の7分40秒ごろから)、規約は一般には公開されておらず、所属議員の多くも把握していなかった模様。

 ちなみに他政党の規約公開状況はどのようになっているのか。

 調べてみると、国会に議席を持つ政党ではウェブサイトを持たない沖縄社会大衆党以外のすべてがウェブに規約を公開。

・国会に議席を持つ政党の規約へのリンク

自民党 民進党 日本維新の会 公明党  
日本共産党 自由党 社会民主党 日本のこころ 沖縄社会大衆党

 都民ファーストの会は地域政党なので主な地域政党も調べたのですが、地域政党ではウェブに規約を公開していないところも多いようです。公平に見るとそこまで大きな問題ではなさそうですが、都議会の半数近い議席を持つ政党としてはいかがなものかと思います。

・主な地域政党の規約へのリンク

東京・生活者ネットワーク 新風自民党 減税日本
NHKから国民を守る党 チームしが 新党大地

 「何か隠したいことがあるのか?」「規約を見せない政党が政治に携わっていいのか?」と思ったので開示請求をかけてみることに。都民ファーストの会は東京都選挙管理委員会に規約を提出しているので、ここに開示請求を認めてもらえれば規約を見られるんですよね。

 9月15日に申請した段階では「2週間くらいかかるかも」と言われたのですが、意外と早く9月19日に開示決定の通知が来ました。ここで強く書いておきたいのは、9月15日という申請日から分かる通り、解散総選挙の話が出る前なので、選挙に影響を与えるために申請したのではないということです。

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 というわけで規約を全文公開しようと思ったのですが、総務省や文化庁に確認したところ、著作権法上の問題があるとのこと。僕は政党の規約は著作権法第40条(政治上の演説等の利用)に類するもので自由に利用できると認識していたのですが、文化庁の担当者によるとそうではない可能性が濃厚とのこと。

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 仕方がないので概要を説明すると、都民ファーストの会は規約を現在までに4回改定しています(2016年9月12日版、10月6日版、2017年1月14日版、4月4日版、8月10日版の5つがある)。

 現行規約は、7月2日の都議会選挙で圧勝した後、8月10日に改定したもの。問題の代表選考委員会については、第8条に「代表については代表選考委員会を設置し選考する。代表選考委員会については細則で別に定める」と書いてあります。

 また、第8条に「代表以外の役員は、代表の指名により選出する」、第26条に「代表は、本規約の実施に必要な事項について、別途細則を定めることができる」とあるので、代表の権限がかなり強い、というか細則を定めることで、やろうと思えば何でもできそうなことが分かります。

 ただ、過去のバージョンを見ると、2016年9月12日版、10月6日版、2017年1月14日版では、「会長を含む役員は総会で選出」となっています。2月5日の千代田区長選挙で圧勝した後の2017年4月4日版から代表選考委員会が登場し、総会の規定もなくなっているのですが、このあたりが古くからの所属議員から不満が出た背景にあるのでしょう。

 規約はもともと1ページで、2016年9月12日版、10月6日版、2017年1月14日版は事務所の住所しか違いはありません。それが2017年4月4日版から4ページに大幅増、代表選考委員会だけでなく、役職追加、役員任期を1年から2年に、地方組織規程、懲罰規定といった変更も加わっています。気になる方はぜひ東京都選挙管理委員会事務局に問い合わせていただければ(コピー代で110円かかります)。

 規約をウェブで公開しない意図や全文公開については今、都民ファーストの会に問い合わせていて返事待ちです。一番良いのは都民ファーストの会が公式サイトに掲載することだと思いますが。これから国政にも出ていこうとする政党が秘密結社のようになっているのはマズイですよ。

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 結果、許可いただけたので、↓で全文公開しています。

 →許可いただいたので都民ファーストの会の規約を全文公開します