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ニコニコチャンネルの収益性をYouTubeと比較してみた

 一昨日、ドワンゴがニコニコチャンネルの有料登録者数が30万人を超えたと発表しました。同時に収益上位チャンネルの平均収益額も発表したのですが、ちょっと気になることがあったので備忘録がてらに書いてみます。

 →ニコニコチャンネルの有料登録者数が30万人を突破(ドワンゴ)

 →「ニコニコチャンネル」、有料ユーザー30万人突破 トップ10の収益は年間平均4400万円超(ITmedia ニュース)

 リリースではニコニコチャンネルの年間平均収益額について「上位10チャンネル以上は4458万1797円、上位30チャンネル以上は2610万1696円、上位50チャンネル以上は1929万5,582円、上位100チャンネル以上は1222万9607円」と書いています。

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 「へー、100位くらいでも1000万円以上もらえるんだ」という感じですが、これは数字のトリック。“上位100チャンネル以上”とまとめると、当然上位のチャンネルの収益も計算に入るので、下位チャンネルの収益が実際以上に多く見えるのです。

 そこで改めて、上位100チャンネルの階層別の年間平均収益額を計算すると、次のようになります。上位と下位の差が大きいことが分かるでしょう。

1~10位 平均4458万1797円

11~30位 平均1686万1645円

31~50位 平均908万6411円

51~100位 平均516万3632円

 また、一般ユーザーが開設できるユーザーチャンネルの年間平均収益額は、リリースによると「上位3チャンネルが4909万6152円、上位5チャンネルが3380万458円、上位10チャンネルが1985万7247円」。

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 これも計算しなおすと次のようになり、ニコニコチャンネル以上の格差があることがうかがえます。

1~3位 平均4909万6152円

4~5位 平均1085万6917円

6~10位 平均591万4036円

 しかも、この金額は「現在の月額会員数から割り出した予測」。普通のチャンネルはこの1年で会員がそれなりに増えているはずなので、過去1年の収益額を推定するためには、この数字に少なくとも4分の3は掛け算する必要があるでしょう。

▼YouTubeと比較してみた

 なぜドワンゴが「ニコニコチャンネルの収益性が多くの人にとって高くなる」と強調したいかというと、もちろん競合のYouTubeを意識しているからでしょう。

 生放送中心で月額課金が主のニコニコチャンネルに対して、動画中心で広告収入が主のYouTubeではモデルが違いますが、特にゲーム実況系の発信者が気軽に収益を得られるYouTubeに流出している背景があります(ゲーム動画はクリエイター奨励プログラムで認められにくい)。

 ではYouTubeの日本での再生数上位投稿者の収益額はどのようになっているのか。

 VidStatsXのデータによると、再生数上位20位までの投稿者は次の通り。YouTuberの代名詞であるHikakinさんやマックスむらいさんが、週間再生数ではじめしゃちょーに抜かれるといった世代交代が起こっていたり、実は知育玩具紹介系のチャンネルが強かったりと、興味深い点も多いですが、まあ現状はこんな感じです。

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 YouTubeの場合、広告をフルに入れる設定にしていると、1PV=0.05円強になります。つまり、週間再生数に3を掛けると、ざっくりとした年間収益額が推定できるというわけです。

 計算すると上位はニコニコチャンネルの平均収益額の分布とそれなりに近くなっています。

 特にニコニコチャンネルとYouTube両方で存在感を持つマックスむらいさん(Appbank)の場合、ニコニコチャンネルの収益額は恐らく1位で平均の4458万1797円を大きく上回っているでしょうから、YouTubeの収益(推定約3500万円)をニコニコチャンネルの収益が上回っていることになります。

 ツイキャスの急伸などでオワコンと言われつつあるニコニコですが、ビジネス的にはまだまだイケてるなというのが個人的な印象。生放送はニコニコでやり、そのアーカイブをYouTubeにアップするという流れもできていたりしますが、これが今後どのように変化していくか気になるところです。