現在、ビジネス系ニュースサイトのトップランナーとされる「東洋経済オンライン」。8月4日、過去最高の月間5500万PVを7月に達成したというリリースを発表しました。2ちゃんねるまとめサイトなどではそれ以上のPVを稼ぐメディアもありますが、自前でコンテンツを作成するニュースサイトとしては日本有数の規模と言えます。
リリースにPV推移が添付されていたのですが、見ると少し驚きました。2012年11月のリニューアル後、2013年3月まではPVを順調に伸ばしていたものの、その後は足踏み状態が続いていたからです。
2012年11月のリニューアルで編集長に就任した佐々木紀彦さんは強気な言動が目立っていたのですが、その裏で増えないPVに頭を悩ませていたはずです。佐々木さんは2014年5月にNewsPicksへの転職が報道され、7月に実際に転職したわけですが、「東洋経済オンラインで今以上の実績を上げることは難しい」という気持ちも影響したのではないでしょうか。
また、リリースの文章を読むと、別の意図も見えてきます。佐々木紀彦さんの後を継いで編集長になった山田俊浩さんの強烈な対抗意識です。
これまで最高のPVだった2013年3月について「この月は、「週刊東洋経済」から転載したメガヒットに恵まれ」と振り返り、今回の新記録については「「週刊東洋経済」などからの“転載モノ”に依存することなく、「東洋経済オンライン」独自のオリジナル記事を中心に展開」したことを要因としているのです。
つまり、「佐々木さんは本誌の転載でPVを稼いだだけでしょ。俺は本誌に頼らずにPVを稼いだから」と言いたいのでしょう。2013年3月以降の状況について、「その後はPVは低調に推移しました」とわざわざキツめの表現を選んでいることからも、佐々木さんのことが好きじゃないんだなーということがひしひしと伝わってきます。
考えてみると、佐々木さんの7月という転職のタイミングはちょっと異例で、突然決まったことのように感じます。そのため東洋経済オンライン内部でも混乱が起こり、佐々木さんへのネガティブな感情が生まれ、山田さんの中に「絶対に前編集長時代を超えてやる」という思いが生まれたのではないでしょうか。
一方、佐々木さんが移籍したNewsPicksは一時は飛ぶ鳥を落とす勢いでしたが、今、ユーザー同士のごたごたなどで岐路に立っています。古巣からの挑戦状に受けて立てるかどうか、佐々木さんの活動が気になってくるところです。