「ニコニコ動画を地上に(だいたい)再現する」というコンセプトのもと、ゴールデンウィークに幕張メッセで開催されるニコニコ超会議。早いもので先週のニコニコ超会議2016で5回目となりました。
ニコニコ超会議は回を重ねるごとに、会場来場者数やネット来場者数を増やしてきたのですが、今回、異変がありました。ネット来場者数が554万8583人と前回から200万人以上も減ったのです。
→「ニコニコ超会議2016」、来場者15万2000人 ネット来場者は減少(ITmedia ニュース)
ドワンゴはネット来場者数減少の理由を「今年からゲーム関連のイベント『闘会議』が独立し、ネット視聴者の多いゲーム関連の生放送やコンテンツが分散したから」と説明。闘会議2016のネット来場者数は687万8290人なので、それと合わせればまだまだ成長中ということになります。
→「闘会議2016」の会場来場者数が4万7588人,ネット来場者数が687万8290人に。「闘会議2017」も2017年2月に開催すると発表(4Gamer.net)
しかし最近、ニコニコが勢いを失っているのは多くの人が感じていること。本当に闘会議だけに理由を求めていいのでしょうか。
そこで、より詳しく見るため、ニコニコ超会議2015とニコニコ超会議2016の同コンセプトの番組(ゲーム以外)のネット来場者数を表にして比較してみました。放送時間が長いと当然、ネット来場者数が多くなるので、カッコ内に放送時間を書いています。
ちなみに、超会議の前日と当日、合わせて3日間の公式番組数はニコニコ超会議2015が119本、ニコニコ超会議2016が114本とそれほど変わりません。
企画名 | 2015 | 2016 |
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前日設営の様子を俯瞰カメラで生中継 | 105915 (9時間) |
83541 (9時間) |
超ニコラジ1日目 | 141269 (9時間) |
125867 (9時間) |
超ニコラジ2日目 | 167631 (8時間) |
79513 (7.5時間) |
超歌ってみた1日目 | 188366 (8.7時間) |
147790 (8時間) |
超歌ってみた2日目 | 146576 (6.7時間) |
131343 (7時間) |
超踊ってみた1日目 | 131364 (7時間) |
118146 (7時間) |
超踊ってみた2日目 | 127020 (7時間) |
94959 (6時間) |
超トークステージ(超言論)1日目 | 64342 (7時間) |
54563 (6時間) |
超トークステージ(超言論)2日目 | 65689 (6時間) |
53932 (6時間) |
超演奏してみた1日目 | 121225 (6.7時間) |
86725 (7時間) |
超演奏してみた2日目 | 75042 (5時間) |
62364 (6時間) |
超コスプレエリア(超コスプレひろば)1日目 | 101004 (6時間) |
94469 (6.7時間) |
超コスプレエリア(超コスプレひろば)2日目 | 93482 (5.5時間) |
59050 (5時間) |
超ユーザー生放送1日目 | 84858 (7.3時間) |
74138 (6.8時間) |
超ユーザー生放送2日目 | 63225 (6時間) |
52565 (6時間) |
超アニメエリア生中継1日目 | 91649 (7.5時間) |
83475 (7.8時間) |
超アニメエリア生中継2日目 | 68615 (6.7時間) |
46772 (7時間) |
頂神社(超神社)1日目 | 64215 (8時間) |
48180 (8時間) |
頂神社(超神社)2日目 | 49738 (6.6時間) |
32358 (6.8時間) |
大相撲(1日目) | 87363 (5.4時間) |
46099 (7.1時間) |
大相撲(2日目) | 88069 (5.2時間) |
31007 (6.3時間) |
超ボカニコステージ1日目 | 93251 (5.9時間) |
115608 (7時間) |
超ボカニコステージ2日目 | 86377 (5.6時間) |
84599 (5.9時間) |
町会議1日目 | 34483 (6.7時間) |
35354 (7時間) |
町会議2日目 | 27097 (5.5時間) |
23535 (6.1時間) |
自衛隊・在日米陸軍ブースより生中継1日目 | 79283 (8時間) |
71417 (8時間) |
自衛隊・在日米陸軍ブースより生中継2日目 | 54498 (6時間) |
43775 (7時間) |
超会議反省会場(超会議まとめ)1日目 | 58023 (1.7時間) |
69931 (2時間) |
超会議反省会場(超会議まとめ)2日目 | 77920 (1.6時間) |
87003 (2.7時間) |
こうして比較すると、ほとんどの番組でネット来場者数が減少していることが分かります。超ボカニコステージや超会議反省会場は数字上は健闘していますが、時間を合わせて考えると「う~ん」という感じ。闘会議がなかったとしても1割以上は減らしてるんじゃないですかね。「今回はゲームで集めた来場者をほかの番組に送客できなかったから」という説明もできるといえばできますが。
ここ最近、ニコ生はユーザーチャンネルを重視するためか、トップページに表示される番組の数が非常に増えています。そのユーザーチャンネルの多くが内輪要素の強い番組や有料番組であることで、ニコ生トップページ離れが進んだことが今回の激減の理由になったのではないかと個人的には推測しています。
そういえば調べていて気付いたのですが、先日AbemaTVをスタートしたサイバーエージェントはニコニコ超会議2015のスポンサーになっていたんですね。この回以外はスポンサーになっていないので、AbemaTVを始める前にノウハウを学ぼうという意図があったように思えます。いやー、ビジネスの世界は恐ろしい。
AbemaTVはTwitterでやたらプロモーションを打ったり、ブースト広告でApple Storeを荒らしたり、2ちゃんねるにスレ立てしてるんじゃないか疑惑もあったりするくらい(これはドワンゴもやってた)、宣伝に力を入れています。
今週の近代麻雀でサイバーエージェントの藤田晋社長が「ライバルの不調には遠慮なく付け込め!」的なコラムも書いていたので、ニコ生もうかうかしていると本当にダメになってしまうかも。エンジニアに焼きそばを焼かせて話題作りしてる場合じゃないですよ。