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日本ファルコム株主総会2023|近藤季洋社長「『イースⅩ』の売上割合はPS5が5割、スイッチが3割、PS4が2割。PSとスイッチで五分五分と想定していたが結果は違った。PSとスイッチは継続してタイトルを出していきたい」

 12月15日13時30分から行われた日本ファルコムの株主総会。

 英雄伝説の軌跡シリーズやイースシリーズで知られるRPGの老舗です。

直近経営資料  2023年9月期決算短信決算補足説明資料2022年9月期有価証券報告書
株主総会資料 定時株主総会招集通知
前回 日本ファルコム株主総会2022|近藤季洋社長「国内市場は弊社だけでなく閉塞感を何となく感じていて、海外の販路を強化していく」

 業績は減収減益ですが、純利益率は36.8%と非常に高め。来期は増収減益見込み

- 売上 営業利益 純利益 PER PBR 時価総額
日本ファルコム・21年9月期 24.7億円 14.0億円 10.0億円      
日本ファルコム・22年9月期 25.3億円 14.6億円 10.2億円      
日本ファルコム・23年9月期 24.7億円 13.2億円 9.1億円 15.2倍 1.28倍 121億円
日本ファルコム・24年9月期予想 25.0億円 12.0億円 8.0億円      
任天堂・23年3月期 16016億円 5043億円 4327億円 19.01倍 3.24倍 89077億円
スクエニHD・23年6月期 3432億円 443億円 492億円 15.04倍 1.81倍 5918億円

※株価は株主総会の前営業日終値を使用。PERは予想、PBRは実績

 売上は、自社製タイトルの売上を示す製品部門と、多言語版やアプリなどでの他社へのIP貸し出しから売上を得たライセンス部門の2つに大きく分けられます(ライセンス部門にはダウンロード版やDLCの売上も含まれているそうです)。

 近年は、海外売上が伸びているからか、ライセンス部門の割合が上昇しています。

事業年度 製品部門売上 製品比率 ライセンス部門売上 ライセンス比率
2011 14.00億円 89.6% 1.62億円 10.3%
2012 9.91億円 77.9% 2.80億円 22.0%
2013 14.99億円 81.4% 3.41億円 18.5%
2014 18.95億円 74.5% 6.46億円 25.4%
2015 7.70億円 48.9% 8.04億円 51.0%
2016 8.17億円 55.8% 6.47億円 44.1%
2017 11.43億円 55.5% 9.13億円 44.4%
2018 11.23億円 47.6% 12.34億円 52.3%
2019 8.11億円 33.0% 16.42億円 66.9%
2020 10.41億円 41.7% 14.55億円 58.2%
2021 6.67億円 26.9% 18.10億円 73.0%
2022 6.40億円 25.2% 18.93億円 74.7%
2023 6.45億円 26.1% 18.28億円 73.9%

 地域別の売上は次表の通り。

 単年度の売上は発売スケジュールによって大きく変動するので、長期的な動きを見ていただければ。近年は北米・欧州の伸びが顕著となっています。

事業年度 日本 アジア 北米・欧州
2014 20.3億円 3.4億円 1.5億円
2015 10.5億円 3.5億円 1.7億円
2016 11.8億円 0.3億円 2.3億円
2017 17.2億円 0.2億円 3.0億円
2018 20.3億円 1.4億円 1.7億円
2019 18.5億円 1.9億円 3.9億円
2020 20.2億円 1.0億円 3.7億円
2021 14.1億円 3.8億円 6.7億円
2022 14.9億円 2.1億円 8.2億円
2023 14.1億円 2.1億円 8.4億円

ここ一年の主な動き

2023年1~3月 アニメ『The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War』放送

2月1日 『英雄伝説 ガガーブトリロジー』 FOW GAMESによるスマートフォン向け新作RPGの制作が決定

6月29日 『東亰ザナドゥeX+ for Nintendo Switch』発売

8月31日 Nintendo Switch『英雄伝説 零の軌跡:改』『英雄伝説 碧の軌跡:改』発売

9月28日 Nintendo Switch/PS5/PS4『イースⅩ -NORDICS-』発売 

12月6日 スマホRPG『英雄伝説 閃の軌跡:Northern War』リリース

2024年2月15日 『英雄伝説 黎の軌跡 for Nintendo Switch』発売

手元資金(ネットキャッシュ)の推移

 無借金経営で、手元資金も売上3年分以上抱えています。

- 2021年9月期 2022年9月期 2023年9月期
営業CF +1.0億円 +12.3億円 +9.0億円
投資CF +0.5億円 -0.0億円 -0.0億円
財務CF -1.2億円 -2.0億円 -2.0億円
- 2021年9月末 2022年9月末 2023年9月末
現預金 71.7億円 82.0億円 89.0億円
有利子負債 0億円 0億円 0億円
ネットキャッシュ 71.7億円 82.0億円 89.0億円

議案

(1)剰余金処分→期末配当を1株につき20円に

(2)取締役1名選任

前年株主総会 今回候補者
近藤季洋 近藤季洋(代表取締役社長)
石川三恵子 石川三恵子(デザインユニットエグゼクティブマネージャー)
草野孝之 草野孝之(クリエイティブユニットクリエイティブディレクター)
中野貴司 中野貴司(コーポレートユニットエグゼクティブマネージャー)
【社外】谷逸平 【社外】谷逸平(工画堂スタジオ社長)
  △加藤正幸(創業者)

株主総会のTwitter実況

 株主総会の様子は僕のTwitter(@michsuzu)で「#日本ファルコム株主総会」のハッシュタグをつけてツイートしていたので、まとめておきます