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3人の日本人が挑んだWSOM 2015 2日目(ベスト8まで)【WSOMその5】

 WSOM 2015 2日目(12月6日)はベスト32以降の試合が行われます。僕は1日目に余裕で敗退したので、2日目に残った麻雀プロの多井隆晴さん、鈴木たろうさん、漫画家の片山まさゆきさんの応援に回ることに。

 2日目は全16局の1荘が4回行われ、それぞれの結果でベスト32→ベスト16→ベスト8→ベスト4→決勝戦と半分ずつ絞られていきます。

 →WSOM 2015の記事一覧はこちら

 試合開始時刻は1日目は12時からだったのですが、2日目は9時からと早まります。1日目に22時ごろまで打っていたので、遅れる選手もいるかと想像していたのですが、賞金がかかっているだけあってか、さすがに全員がそろいました。

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 選手が32人に減るので、残りのスペースは観客席に差し替えられていました。観客席といっても参加者だけが観戦できるようで、入り口で参加証の提示を求められました。

 ただし、前日の敗退者はヤケ酒を飲んでいたり、カジノに繰り出していたりしたせいで、午前中はほとんどおらず。8割ほどが空席のまま、試合が進行していきました。

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 中央が配信卓で、ランダムに選ばれた組の闘牌が上のモニタに映し出されます。

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 モニタに映し出されるのは捨て牌と鳴いた牌だけで、手牌は見えないようになっています。横から覗き込めば手牌も見えるのですが、イカサマ防止や選手への影響の観点から、スタッフが近付かないように警告していました。

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▼ベスト32

 実は事前にチーム登録というものが行われていて、チーム員同士は2日目は決勝戦まで当たらないようになっているはずでした。

 日本からの参加者はチーム登録していたので対戦しないはずだったのですが、ベスト32では前半戦で片山さんと鈴木さん、後半戦で片山さんと多井さんの対戦が組まれるハプニングが発生。このあたりでどのような事情があったのか気になるところです(鈴木さんはチーム登録していなかったとか)。

 ベスト32では半分が次に進めるので、プラスの点数をとることが一応の目標になります。前半8局の結果は、多井さんと鈴木さんがプラス。一方、片山さんは大きくマイナスとなったので、攻める必要が出てきました。

 しかし、西場第4局。片山さんは攻めた結果、下画像の青丸の7sが下家のトイトイに刺さってしまい、ベスト16進出がほぼ絶望的に。

 この7sは多井さんのホンイツの当たり牌でもあったのですが、頭ハネとなり、多井さんにも危険信号がともります。

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 嫌な予感はしたものの、多井さんは次の北場第1局で下画像の青丸の4pロンでタンヤオ・イーペーコーをあがり安全圏に浮上。

 4pを前に出しているのは、対戦相手から「どこがイーペーコーなんだ?」とクレームをつけられて分かりやすくしたため(WSOMでは鳴いていてもイーペーコーは成立)。ベスト32ともなるとチェックが厳しくなるようです。

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 余裕ができた多井さんは次局で下家の役牌のみに全力でアシストするなどして流しにかかり、+63と大きめに浮いて終わります。

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 結局、+140ポイントの鈴木さん、+63の多井さんがベスト16に進出。ー196ポイントの片山さんが敗退。

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▼ベスト16

 ベスト16の前半戦では鈴木さんがあがりを重ねて大きなプラス。一方、多井さんはやや沈んだ状態に。

 攻めないといけない多井さんですが、西場第2局に分岐点が訪れます。

 和了者が下画像の青丸の4mを切った直後、下家の多井さんが7mを切って、47m待ちでの三色同順の高めに振り込みます。

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 WSOMではフリテンの出あがりも認められているので成立するあがりなのですが、ここで気になる動きがありました。和了者が4mを切る時、河の上で切るかどうか悩むような手つきをしていたのです。

 後で「多井さんは対戦相手をリスペクトしていたため、ベスト16に残るほどの選手が待ちにかかわるところで、あれほど大胆な腰を使うと思わなかったから7mを切ったんですか?」と尋ねると、「なんで分かったんですか」と多井さん。

 日本の競技麻雀なら腰扱いで4mが絡む待ちで出上がりできなくなるのですが、WSOMではそういう規定はありません。多井さんは「国際大会では三味線をやられることも想定しておかないといけなかった」と反省していました。

 その後、失点を取り返すため、果敢に攻めた多井さんですが、攻めた結果、北場第2局にホンイツを振り込み、ー279にまで沈みます。残るは2局のみなので、絶望的な点数です。

 しかし、多井さんはホンイツを振り込んだ直後、落胆した様子を見せず、すぐに役一覧表を見て、どの役なら挽回できるか確認したんですよね(下画像の青丸)。逆境でもへこたれず、ベストを尽くそうとする姿に、僕は感銘を受けました。

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 実際、次局で高い手をあがったのですがそれだけでは届かず、ベスト8には鈴木さんが進むのみとなりました。

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▼ベスト8

 ベスト8の試合は14時からなので、観客も増えてきます。日本の観客にはなぜか日の丸が配られていました。

 スポンサーからドリンクの差し入れもあったのですが、この見た目でコーヒーじゃなくて、コーラのような炭酸飲料なんですよね。い、いや、いいんですよ……。のどが渇いていたので……。

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 ベスト8には2007年大会優勝者の許宗澧さんといった強豪も残っていたのですが、鈴木さんは前半にあがったホンイツのリードを守って決勝進出を決めました。