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鈴木たろうプロが準優勝したWSOM 2015 2日目(決勝戦)【WSOMその6】

 2日にわたって行われてきたWSOMですが、ついに決勝戦となります。

 →WSOM 2015の記事一覧はこちら

 残ったのは日本の鈴木たろうさん(画像右)、中国のZhao Jianさん(画像奥)、台湾のPeng Cheng Lungさん(画像左)、香港のLai Siu Kuiさん(画像手前)の4人。

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 過去の大会の決勝進出者の国・地域を見ると、第1回(2007年)は香港×3と台湾、第2回(2008年)は香港×3と日本(青野滋さん)、第3回(2010年)は香港×2と台湾と中国。異なる地域に属する4人が争うのは始めてのことです。

 決勝だけあって演出も特別。選手の入場前には、司会者が各国の観客を煽っていました。選手の入場もナレーションと音楽付きです。

 結構観客が入っていたのですが、イカサマと疑われないようにするためもあってか、対局中はみんな静かにしていて、牌の音しか聞こえません。カメラのシャッター音さえも目立つ状況でした。

 決勝は全16局。4局ごとに席移動があります。

▼東場第1局

 メンゼン(5点)+ピンフ(5点)で中国のあがり。

日本 -10点

中国 +30点

台湾 -10点

香港 -10点

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 各人が高い手(三色同順、チャンタ、ホンイツなど)が出ないよう絞ったりしていたため、序盤は安手のあがりが目立ちます。

▼東場第2局

 メンゼン(5点)+ピンフ(5点)+タンヤオ(5点)で台湾のあがり。

日本 -25点(ー15)

中国 +15点(ー15)

台湾 +35点(+45)

香港 -25点(ー15)

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▼東場第3局

 ピンフ(5点)+タンヤオ(5点)で中国のあがり。

日本 -35点(ー10)

中国 +45点(+30)

台湾 +25点(ー10)

香港 -35点(ー10)

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▼東場第4局

 ピンフ(5点)で中国のあがり。

日本 -40点(ー5)

中国 +60点(+15)

台湾 +20点(ー5)

香港 -40点(ー5)

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▼南場第1局

 メンゼン(5点)+ピンフ(5点)で日本のあがり。

日本 -10点(+30)

中国 +50点(ー10)

台湾 +10点(ー10)

香港 -50点(ー10)

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▼南場第2局

 ピンフ(5点)で中国のあがり。

日本 -15点(ー5)

中国 +65点(+15)

台湾 +5点(ー5)

香港 -55点(ー5)

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▼南場第3局

 役牌(10点)+三色同順(35点)で中国のあがり。振り込んだのは日本。

日本 -100点(ー85)

中国 +200点(+135)

台湾 ー20点(ー25)

香港 -80点(ー25)

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 決勝の最大のポイントとなったのがこの局。日本の鈴木さんは14pのどちらかを切ればテンパイの状況。4pが下家のトイトイに危ないとみたため、1pを切って役牌(10点)+三色同順(35点)に振り込んでしまったとのこと。三色同順に当たるなら、1枚切れの2pを本命と見ていたそうです。

 ちなみに4pは本当に下家の当たりで、トイトイ(30点)+タンヤオ(5点)とそれなりに高い手でした。

▼南場第4局

 ピンフ(5点)で香港のあがり。

日本 -105点(ー5)

中国 +195点(ー5)

台湾 ー25点(ー5)

香港 -65点(+15)

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▼西場第1局

 ピンフ(5点)で台湾のあがり。

日本 -110点(ー5)

中国 +190点(ー5)

台湾 ー10点(+15)

香港 -70点(ー5)

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▼西場第2局

 ピンフ(5点)で中国のあがり。

日本 -115点(ー5)

中国 +205点(+15)

台湾 ー15点(ー5)

香港 -75点(ー5)

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▼西場第3局

 役牌(10点)+イーペーコー(10点)で台湾のあがり。

日本 -135点(ー20)

中国 +185点(ー20)

台湾 +45点(+60)

香港 -95点(ー20)

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▼西場第4局

 ピンフ(5点)+一気通貫(40点)で香港のあがり。振り込んだのは台湾。

日本 -160点(ー25)

中国 +160点(ー25)

台湾 ー40点(ー85)

香港 +40点(+135)

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▼北場第1局

 メンゼン(5点)+イーペーコー(10点)で中国のあがり。

日本 -175点(ー15)

中国 +205点(+45)

台湾 ー55点(ー15)

香港 +25点(ー15)

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▼北場第2局

 流局。

日本 -175点(±0)

中国 +205点(±0)

台湾 ー55点(±0)

香港 +25点(±0)

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 残り2局の時点で、トップの中国に380点差の大差をつけられた日本の鈴木さん。逆転するには120点以上の手を中国以外からロン、100点以上の手をツモ、75点以上の手を直撃のいずれかしかありません。

 75点以上の手を作ろうとすると、「ホンイツ(40点)+一気通貫(40点)」や「チャンタ(40点)+三色同順(35点)」といった複合役が必要になります。三連刻(100点)や三色同刻(120点)なら一発なのですが、ちょっと現実的ではありません。

▼北場第3局

 ピンフ(5点)+一気通貫(40点)で日本のあがり。振り込んだのは香港。

日本 -40点(+135)

中国 +180点(ー25)

台湾 ー80点(ー25)

香港 ー60点(ー85)

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 LINEグループで点数状況を共有していた日本の応援団もあきらめかけていたのですが、鈴木さんのこの45点のあがりでにわかに盛り上がり始めます。

 トップの中国との差が220点に縮まり、逆転する条件が70点以上の手を中国以外からロン、55点以上の手をツモ、45点以上の手を直撃と緩くなったのです。

 45点は「タンヤオ(5点)+ピンフ(5点)+三色同順(35点)」「役牌(10点)+ホンイツ(40点)」「ピンフ(5点)+チャンタ(40点)」などで作れるので、かなり現実的です。

▼北場第4局

 最後は撮影に失敗したので写真が残っていなかったのですが、中国が序盤から2副露して、7順目くらいで役牌(10点)のみのあがり。自力で優勝を決めます。

 あがりの瞬間、それほど歓声があがらなかったのですが、それは点数状況が観客に共有されていなかったため、誰が勝ったか分からなかったからでしょう。

日本 -50点(ー10)

中国 +210点(+30)

台湾 ー90点(ー10)

香港 ー70点(ー10)

 鈴木さんも「タンヤオ(5点)+ピンフ(5点)+三色同順(35点)」が見えるイーシャンテンだったとか。

▼表彰式

 表彰式では1人ずつ壇上に上がって賞品の贈呈や写真撮影が行われました。

 なお動画の1分8秒あたりで「たろー」と叫んでいるのは観客席にいた多井隆晴さん。叫んだ結果、モニタに映し出される事態に。

  優勝した中国のZhao Jianさんは奥さんを壇上に呼び寄せてハグします。風の噂によると、彼は中国麻雀のプロであるとかないとか。

 Zhao Jianさんは牌の置き方に特徴があって、時々、手前に1牌だけ孤立させて置くんですよね(下画像の赤丸)。単騎待ちだったり、不要牌が1枚あると意識させるブラフではないかと思ったのですが、鈴木さんに聞くと「クセなんじゃないの」とのこと。

 ルールでは禁止されていないことなので、今後、国際大会に挑まれる方は惑わされないよう注意してほしいところです。

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 その後、4人での記者会見も行われました。

 賞金は各ラウンドごとに支払われるので、上位でそれほど大きな差はつかず1位のZhao Jianさんは40万6161香港ドル(約633万円)、2位の鈴木さんは29万3263香港ドル(約457万円)。それでも麻雀の大会としては破格の額と言えるでしょう。