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取材協力した『SPA! 7月30日号』“令和初の株主総会”記事でのプロフィールの訂正&SPAに載らなかった株主総会の話

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 こんにちは、すずきです。

 6月の株主総会シーズンを終えて、落ち着いていたところに『週刊SPA!』さんから取材の依頼がありました。「元号が令和になって初の株主総会シーズンをマニアとしてどのように見たのか」という内容。取材には基本的に協力することにしているので、後日、いろいろお話ししました。

 ほかの投資家さんの話も含めて、7月23日発売の『SPA! 7月30日号』に2ページの記事が掲載されているので、機会があればご覧いただければうれしいです。

週刊SPA!(スパ) 2019年 7/30 号 [雑誌] 週刊SPA! (デジタル雑誌)

 僕のプロフィールに「6月だけで20社近くの総会に参加」とあるのですが、実際に参加した6月株主総会は7社。“20社”という数字は、議決権をとった6月株主総会の会社の数か、年間に参加している株主総会の数のどちらかを勘違いされたのだと思います。

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 株主総会出席でもらえるお土産狙いの人なら6月だけで20社参加は普通だと思いますが、僕はレポートを書く関係で20社はちょっと難しいですね。

 事前に原稿を送っていただいていたのですが、本文はチェックしたものの、プロフィールはよく確認していなかったためにこの文章が残ってしまいました。

 しっかり手続きは踏んでいただいたのにチェックが漏れてしまい、ライターさんには申しわけないです。

SPAに載らなかった株主総会の話

 取材では、参加した6月株主総会だけでなく、前年の株主総会やニュースで見聞きした株主総会のことも含めて話したのですが、紙面の都合もあって掲載されたのはZOZO、日産自動車、テレビ東京、トヨタ自動車、サイバーエージェントの話だけ。

 実は取材の前に簡単なメモを作っていて、そこに書いたことが埋もれてしまうのももったいないので、訂正のついでに紹介して、供養しておきます。

(1)ベスト裏方オブザイヤー「日本テレビ」

 まずは日本テレビ株主総会でのマニアックな質問への対応事例

 本業のテレビ放送から少し外れた「汐留ロコドル甲子園2015」というイベントについての質問で、しかも4年前の2015年の出来事。

 調査が必要な質問に関しては、事前質問状で予告されていなければ、株主総会で答える必要はありません。役員の反応的に事前質問状も送ってなさそうでしたし、もちろんこんなマニアックな質問は想定質問に入っていないでしょう。

 なので、「詳細は分からないが、参加者が不満を持たないように善処したい」みたいな曖昧な回答をすると思ったのですが、日本テレビは質問から回答までのわずか1~2分で、詳細を調べて、出演した番組の日時と詳細まで出してきたんですよね。

 裏方が必死に検索して、廣瀨健一取締役に内容を伝えたのだと思うのですが、これは超すごいです。謎質問があった時の準備も万端なんだなと感じた一幕でした。

株主「闇営業問題でブラック企業の吉本興業に賠償を求めないのか」→福田博之取締役「強い遺憾の意を表して、再発防止策の提出を求めている」――日本テレビHD 2019年株主総会の内容まとめ

(2)想定質問で地味に練った回答を用意していたスクエニ

 僕の質問で「おおっ」と思った回答が来たのがスクウェア・エニックスHD株主総会でのこと

 あえて具体的な事件名は出さなかったのですが、これは殺人事件などの関係者にドラクエのプレイヤーがいたことを受けての質問ですね(「元農水次官に刺殺された長男、ドラクエ10にログインしたまま死亡…ザオラル祭りの異様」)

 SNSなどで非常に多く言及されていたのですが、ゲームと事件との間の直接的な関係が不明で、メディアも聞きにくいと思ったので、僕が聞いてみました。何らかの形で公式が答えていないと、公式Twitterのリプライや生放送のコメントで延々と書かれることになるんですよね。

 この質問に松⽥洋祐社長は「ゲームというコンテンツに限らず、エンタメは人間が生きていくために欠くことができないもの」と割とさらっと答えたのですが(松田さんはカッコつけたことを言う時、さらっと言う傾向があります)、微妙に回答を練ってる雰囲気があるんですよね。

 これ間違いなく想定質問にあったと思うのですが、「ゲームは人間が生きていくために欠くことができないもの」とゲームに絞った話にすると、味方が少なく、説得力も薄くなってしまうので、“ゲームというコンテンツに限らずエンタメ”と範囲を広げて、自陣営を増やしたんじゃないかと。

 コンテンツ関連会社の偉い人でも「エンタメは生活に必須ではない」と言う人もいる中、「人間が生きていくために欠くことができないもの」と断言したのも印象的でした。

松⽥洋祐社長「エンタメは人間が生きていくために欠くことができないもの。遊びや楽しさがないと人間は壊れてしまう。社員一同そういう理念で作品を届けたい」――スクウェア・エニックス 2019年株主総会の内容まとめ

(3)ネタ勢を質疑応答で当てる企業と当てない企業

 エンタメ系の企業ではコスプレや、ネタTシャツで参加する株主がいます。

 このネタ勢が質疑応答で挙手した時に、当てる企業と当てない企業にはっきり分かれます。

 ネタ勢を当てない企業の代表例がソニーやバンダイナムコHD。両社とも出席株主数が多いので、「真面目(?)な株主から発言機会を与えるべき」との意図もあるのかもしれません。コスプレは手間がかかるので、むしろ普通の株主よりやる気があって、良い質問を用意していたりもするのですが。

 一方、ネタ勢を当てる企業の代表例がカドカワ(現KADOKAWA)。『けものフレンズ』コスプレやネタTシャツの株主を当てていたのですが、ただ当てるだけではなく、ちょっと早めの順番で当てていたので、積極的に当てようという意思を感じましたね。

 この傾向は去年までの川上量生さんが議長だった時だけかと思ってたのですが、今年、松原眞樹さんに議長が代わってからもそうだったので、カドカワのDNAなのかも。

(4)若い女性の出席者、しかも質問する人が増えている

 今年だけではなく、ここ数年の傾向なのですが若い女性の出席者が増えています。

 「女性の社会進出拡大→女性の可処分所得増加→女性向け娯楽増加→女性向け娯楽のユーザーが提供会社の株主総会に出席」という流れがあるからか、乙女ゲームや演劇などを扱う企業で顕著。しかも、出席するだけでなく、質問する例も増えています。

 ↓の質問は女性株主によるもの(バンダイナムコは株主総会ではなく懇親会での質問)。男性の僕には分からない話もあるのですが、RT数などを見ると、ポイントを突いた質問でもあるようです。

 女性株主は質問の仕方にも特徴があり、コンテンツのファンであることもあって、質問前にお礼を言うパターンが目立ちます。たまにディスりを交える女性株主もいるのですが、嫌みの入れ方の上手さに感心することがあります(笑)

 総会屋の怒号が響いていた昔の株主総会とは雰囲気が変わってきていて、若い人の株主総会に対する印象も変わってきている感じがしますね。

 以前は臭いものに蓋みたいなもので、企業も表では株主総会について触れたがらない傾向にありました。しかし最近は、株主総会後に社長がTwitterで株主に感謝の言葉を述べたり、人気YouTuberのはなおさんがイベント名を「株主総会」としているように、「対話の場」というイメージも持たれつつあるように思います

取材謝礼をもらえないので、株主総会本を買ってね!

 SPAの取材ではそれなりに僕の手間もかかることもあり、献本や取材謝礼のお話もあったのですが、いろいろ考えてお断りしました。

 なぜかというと、SPAを発行する扶桑社はフジ・メディアHDの子会社で、僕は今年は行っていないですが、2016~2018年のフジ・メディアHD株主総会に出席していて、レポートを書いています。

 なので株主総会に関連した話で扶桑社から何かをもらうと、会社法120条第1項(株式会社は何人に対しても株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与をしてはならない)で禁じられている利益供与に当たってしまう可能性があると思ったのです。

 これは総会屋対策で制定された法律で、僕の場合は正直、ビミョーなところで「別にいいんじゃないかなー」とも思うのですが、ここはしっかり線引きすることにしました。気の毒に思った方はぜひ冬コミで出した『株主総会に行こう! すずきの潜入ドキュメント』のKindle版を買っていただければ!(感想などはこちらでまとめています)

 地味に改稿を重ねていて、最初に出した時より10%ほど分量が増えているので、以前、買った方は再ダウンロードしてみてください。

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