1月28日14時から行われたタイミーの株主総会。
タイミーはスキマ(単発)バイトサービスのパイオニア。今回は2024年7月26日に上場後、初の株主総会となります。
| 直近経営資料 | 2024年10月期決算短信、決算説明会資料、有価証券届出書、よくある質問と回答(2025年1月) |
|---|---|
| 株主総会資料 | 定時株主総会招集通知 |
| 前回 | 今回が上場後初の株主総会 |
タイミーがサービス開始したのは2018年8月。2021年10月期までは赤字でした。
| - | 売上 | 営業利益 | 純利益 | PER | PBR | 時価総額 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| タイミー・22年10月期 | 62億円 | -億円 | 1.1億円 | |||
| タイミー・23年10月期 | 161億円 | 19億円 | 18億円 | |||
| タイミー・24年10月期 | 268億円 | 42億円 | 27億円 | 32.1倍 | 15.52倍 | 1410億円 |
| タイミー・25年10月期予想 | 343~357億円 | 60~67億円 | 43~49億円 | |||
| リクルートHD・24年3月期 | 3兆4164億円 | 4025億円 | 3536億円 | 46.1倍 | 9.95倍 | 18兆0492億円 |
| パーソルHD・24年3月期 | 1兆3271億円 | 5206億円 | 2997億円 | 14.4倍 | 2.82倍 | 5336億円 |
※株価は株主総会の前営業日終値を使用。PERは予想、PBRは実績
業績は増収増益基調ですが、上場前の成長スピードよりは鈍化しています。

「メルカリ ハロ」など競合の参入で市場環境が激化。闇バイト対策などやることは増えていますが、競争環境激化を足元の最大の課題とみているようです。「103万円の壁」撤廃などはプラスに働きそう。

決算説明会資料では競合に奪われた顧客を取り返した事例を紹介していますが、全体としてみるとどうなんでしょう。
ここ一年の主な動き
2024年3月6日 メルカリが競合の「メルカリ ハロ」をサービス開始
7月26日 東京証券取引所グロース市場へ新規上場
7月31日 上場して感じたこと(小川嶺)
10月1日 ディップが競合の「スポットバイトル」をサービス開始
11月9日 タイミーの「仕込み」騒動で改めて考えるべき、炎上時の初動対応の重要性(徳力基彦 - エキスパート - Yahoo!ニュース)
12月6日 「タイミー」全ての求人を掲載前に確認 「夜道で猫探し」“闇バイト”と指摘される求人が掲載された問題受け(TBS NEWS DIG)
12月6日 タイミーのサービス不正利用防止に向けた新たな取り組みについて
2025年4月30日 「タイミートラベル」サービス終了
手元資金(ネットキャッシュ)の推移
現預金は多めですが、手元資金はそれほど余裕があるわけではありません。
| - | 2022年10月期 | 2023年10月期 | 2024年10月期 |
|---|---|---|---|
| 営業CF | -億円 | -7.4億円 | +11.8億円 |
| 投資CF | -億円 | -5.4億円 | -2.8億円 |
| 財務CF | -億円 | +53.0億円 | +33.4億円 |
| - | 2022年10月末 | 2023年10月末 | 2024年10月末 |
| 現預金 | -億円 | 79.9億円 | 122.3億円 |
| 有利子負債 | -億円 | 82.0億円 | 114.1億円 |
| ネットキャッシュ | -億円 | -2.0億円 | 8.2億円 |
議案
(1)取締役1名選任
| 前年株主総会 | 今回候補者 |
|---|---|
| 小川嶺 | 小川嶺(創業者) |
| 八木智昭 | 八木智昭(CFO) |
| 渡辺雅之 | 【社外】渡辺雅之(元DeNA創業メンバー) |
| 渡邉一正 | 【社外】渡邉一正(元リクルート) |
| △池田俊(CSO、元グーグル) |
株主総会のTwitter実況
株主総会の様子は僕のTwitter(@michsuzu)で「#タイミー株主総会」のハッシュタグをつけてツイートしていたので、まとめておきます。
【アンケート】
— すずき (@michsuzu) January 28, 2025
あなたはタイミーのことが好きですか? #タイミー株主総会
タイミーの株主総会スタッフ、タイミーで募集してた #タイミー株主総会 pic.twitter.com/5eYqU5Eb4M
— すずき (@michsuzu) January 28, 2025
14時の株主総会を前に、13時30分に配信開始。利用企業やワーカーにインタビューしたタイミーのPVが流れる。サービスの顔となっているマスコットキャラクターも登場したけど、「タイミン」という名前があるのか・・・ #タイミー株主総会 pic.twitter.com/diipclvelv
— すずき (@michsuzu) January 28, 2025
定刻の14時になって株主総会開始。議長は小川嶺CEO(27歳)。27歳での上場は歴代6番目くらいの若さ。14時スタートなのは、インターンしてたサイバーエージェントが13時スタートなのを参考にしてるのかな。たまに本人もタイミーさんとして来るらしい #タイミー株主総会 https://t.co/gsfdp9FsHb pic.twitter.com/LKRVwiFYMC
— すずき (@michsuzu) January 28, 2025
上場後初の株主総会ということで小川CEOが創業ストーリ―を話す #タイミー株主総会
小川:私は18歳の時に起業家になりたいと志し、本年28歳になりました。多分最年少の上場企業社長かと思っていますが、まだまだ学ぶことが多く、日々鍛錬している状況です。
なぜ18歳という早いタイミングで起業を志したのかというと、尊敬していた祖父が18歳の時に亡くなったことがあります。身内の死が初めてだったので、「本当に人って死ぬんだな」と初めて知り、「自分もいつ死ぬか分からない」と強く意識するタイミングがありました。
祖父のことが非常に好きだったので、その時に生い立ちを調べたところ、祖父の父が実業家であったことを初めて知りました。
私の家系は牧場をやっていました。祖父の代ではもうその会社はなかったこともあり、祖父は話してくれなかったのですが、その事実を知ったときに、自分も起業家・実業家の血が流れているんだと知り、「大好きな日本のためにこの命を費やして何か貢献していきたい」と強く思ったのが18歳になります。
そこから右も左も分からず高校3年生からインターンシップを始めて、大学1年生の時にRecolleというアパレル系の会社を立ち上げました。初めての起業で「いつか上場してやるぞ」という気持ちで立ち上げたのですが、その会社はうまくいかずに一年で畳むことになりました。
そこからお金が本当になくて、物流倉庫や居酒屋、コンビニなど様々なところで日雇いバイトをする中で、多くの労働環境に対する疑問といら立ちを持ちました。
働きたいと思っても、なぜわざわざ登録会に行ったり、メールで流れてくる案件を待たないといけないんだろうといった、スマホネイティブ世代からの違和感を持ちました。実際行ってみないとどんな現場か分からないとか、透明性がないということで、ブラックバイトといった労働問題について多くメディアが取り上げていた時代がありました。
その時代が2018年ごろで、人手不足と言われながらブラックバイト、ブラック企業と言われる部分に一労働者として非常に疑問を持って、タイミーというモノづくりを開始しました。すぐに働けて、すぐにお金がもらえて、 そこがどういう現場なのかというレビューがすべて残っているサービスになります。
タイミーを作った時は上場というより、自分が欲しくてモノづくりを始めたところがきっかけになっています。その結果として、 しっかりと世の中の方々に支持いただき、今は1000万人を超えるような方々にご活用いただき、昨年、無事上場できました。
まだまだ上場ゴールではないというところで、日本経済をどうやって下支えするかというところで、1000万人を超えるサービスを提供できているというところで何かしら貢献できていると思っていますし、2000万人、3000万人とこれからも伸びていくと確信をしています。
働き方改革、人手不足という大きなトレンドに合わせて、サービスをどんどん進化させて、働くインフラを作っていきたいと思っているので、ぜひ株主のみなさまには、これからも末永いご支援をいただけたらうれしいなと思っています
取締役と監査役を紹介後、定足数について説明。議決権を持つ株主数は2万8934人で、行使する株主数は5654人。川崎聖子さんから監査報告、「法令定款に適合していて不当な事実はない」とのこと #タイミー株主総会
— すずき (@michsuzu) January 28, 2025
事業報告をナレーションとスライドで説明。内容は招集通知や決算説明会資料と同じ。本日時点で登録ワーカー数は1000万人を超えているとのこと
— すずき (@michsuzu) January 28, 2025
闇バイト対策は、重要事項ということで小川CEOが説明。内容は既存の発表と同じ #タイミー株主総会 https://t.co/hC8jy8WvEt https://t.co/DSH4TaIhW0 pic.twitter.com/GG9jWugthC
取締役1人増員の議案を上程して、質疑応答へ。事前質問6問に回答してから、会場の質問に回答する形式 #タイミー株主総会 pic.twitter.com/629sel6BeU
— すずき (@michsuzu) January 28, 2025
Q(事前質問)株価の現状についてどのような認識を持っているか
小川:株価は様々な要因によって形成されるものなので、一概に申し上げることはなかなか難しい。
しかし、しっかりと業績を伸ばしていくことで、株価にも必ずポジティブな影響を及ぼされていくだろうと思っている。まずはしっかりと事業を伸ばすことを最優先事項としてコミットしていく

Q(事前質問)配当や株主優待の予定はあるか
小川:当社は現在、グロース市場という成長に投資するマーケットにいて、事業成長を最優先しており、体制強化や事業投資を行っている。そのため、現時点では配当や株主優待の実施は予定していない。
私としては、企業価値を向上させること、株価を上げることこそが、株主のみなさまの期待に沿うことと思っているので、 今後も企業価値向上に向けて全力で取り組んでいきたい
Q(事前質問)取締役候補者の池田俊氏が兼任しているRelight社の概要や兼任状況について
小川:Relight社はプロダクト開発組織のマネジメント支援などを行っている会社で、当社との取引関係などはない。
池田は非常勤の取締役として3カ月に1時間程度働いていて、そこまでのコミットは行われていない。弊社と守秘義務などを結びながらやっているので、情報に関しても、しっかり統制が取れている状況になっているので、ご安心いただきたい
Q(事前質問)闇バイト等の不正利用の状況について
小川:これまでに不適切な疑いのある求人が一部掲載されてしまったことはあったが、いわゆる闇バイトであったと弊社から確認できているものはない。
先ほど説明した通り、不正利用防止のための対策を継続的に講じていきたいと思っている。巧妙化していく手口より一歩も二歩も進んで、今後もしっかりと安心安全を第一に作っていきたいと思っているので、ご安心いただきたい

Q(事前質問)スキマバイトサービスから発生した他のサービス展開は考えているのか
小川:創業以来、タイミーという事業を主軸にして成長してきたが、昨年、タイミーキャリアプラスという正社員の紹介事業も始めた。
スポットワーク・スキマバイトをこれからもしっかりと伸ばしていくことを柱にしながらも、すでに1000万人を超える働き手と10万社を超える企業に導入いただいているので、この2つのアセットをどうやって非連続な形で事業成長させていくのか考えて、しっかりと事業を作っていき、必要であればM&Aなどの投資をしていきたいと思っている。
タイミーワーカーの中で「正社員になりたいけど、自分1人の力では難しい」という声があった。そういう方にキャリアアドバイザーとして弊社担当がついて、「どういう会社に入りたいのか」「どういうアピールをすればいいのか」と伴走した上で、弊社クライアントの10万社を超える企業に正社員として紹介して、紹介料をいただくというタイミーキャリアプラスを開始した。
その結果、「正社員になりたかったけどずっとアルバイトしていた」という方が、タイミーキャリアプラスを通じて正社員になる事例もどんどん生まれてきている。
国が掲げる「非正規から正規へ」という流れもありますし、もちろん非正規の働き方を望まれてる方も、正社員になりたいけどなれない方もいらっしゃると思っているので、さまざまな方々のニーズに応えられるサービスをこれからも作っていきたい。
企業側からも、タイミーで新しい人が来たら毎回教育するのが大変だという意見をいただいている。タイミーにまるっと任せたいんだと、業務請け負いのような形で任せたいという意見もいただいている。
そういう企業、ユーザーに本気で向き合うことで、様々なビジネスチャンスがどんどん生まれてきているので、今後のタイミーの成長にご期待いただけたらと思いますし、スポットワークだけでなく、HR(Human Resources)領域全般でしっかりと成長していきたい
Q(事前質問)タイミーの競合優位性について
小川:様々な会社が参入してきている中で、「タイミーはどうしていくんだ」と心配いただいているかと思います。昨年の通期決算では、しっかりと事業を伸ばした姿をお見せできたとは思っていますが、競合が増えてくる中でも引き続き強い成長ができている。
タイミーの強い要素は3つ挙げられます。
1つ目は稼働率。しっかり人が集まるところが非常に重要だと思っています。企業のほとんどが、人手不足に悩んでいるからタイミーを使うという形になっているので、人が集まらなければ本末転倒です。稼働率をしっかり伸ばしていくことに対して、いろんなマーケティング手段やプロダクト開発を行っていて、ここを1丁目1番地にしている。
2つ目は働かれる方のクオリティ。相互評価機能や、リピーターの機能を持っており、1度来た中で良かった人をグループに保存して、そのグループに限定して求人を出せる機能があって、それによってリピーターが来るようになっている。最初は教える必要があっても、グループのプールが溜まっていけば、困った時にそのプールにお願いすれば、しっかり研修が終わった方が働きに来てくれる形となるので、安心してタイミーを使い続けてくれることにつながっている。
3つ目が営業サポート。弊社の従業員数は1000人を超えていて、カスタマーサクセスという職種の営業サポートが半数近くいる。この職種は、実際にタイミーを導入いただく企業を実際に訪問して、「ここだったらタイミー使えますね」「ここはタイミー使えないですね」「ここは正社員がやった方がいいと思います」ということをアドバイスし、業務マニュアルを一緒に作る業務になっています。そのため、タイミーで働きに行く方は、 その日に行ったとしても活躍できるマニュアル化がされているということにコミットして営業活動していることが、タイミーが伸びてきた理由かと思います。
弊社の営業組織は各業界ごとに特化していて、 飲食業界特化チーム、物流業界特化チームと、10万社を超える企業の様々な成功事例、失敗事例を持っているので、 そういうところを各社ごとにカスタマイズできることも他社ではできないサポートかと思っています。
ネットワーク効果が利くサービスですし、最初に作った会社だからこその先行者利益もたくさんあると思っているので、 しっかりと今後も高い成長を実現していきたい
Q 上場おめでとうございます。タイミーで働いて、御社の株を買わせていただきました。営業のサポートが手厚いとのことだが、スポットワークを入れることに抵抗のある会社にどのように営業しているのか。何が一番の抵抗となっているのか
小川:タイミーを日ごろからご活用いただき、誠にありがとうございます。
マーケットエデュケーションは非常に重要と思っていて、2018年に私が創業した時はスポットワークの営業を私自らしていたのですが、「いきなり来た人たちが働ける仕事なんてない」とずっと言われ続けてきた。
粘り強く営業していく中で、多くの大企業に結果的に導入いただきました。なぜそう変わったかというと、やはり人手不足でそうも言ってられないというところが一番大きな材料だったかなと思っています。
マーケットエデュケーションも大事ですが、まずは外部環境として「ないといけないサービス」というところを磨き続けることが一丁目一番地かと思っている。
その上でマーケットエデュケーションについては、各業界団体とのコラボをやっていて、例えば保育団体、介護団体、居酒屋甲子園などの飲食団体に協賛したり、講演したりする中で、団体としてスポットワークをどういう風に扱っていけばいいかという勉強会をしています。
もちろん団体にすべての会社が入っているわけではないのですが、そういうことを通じて少しずつ啓蒙していきたいと思っているので、今後もしっかりとその辺を重要施策として加速させていきたいと思っている。
Q 株主総会は午前10時開催が多いが、 タイミーは午後2時開始。何か意味はあるのか
八木智昭:いくつか理由がありますが、1番大きいのは、日本全国津々浦々、いろんな株主さんにタイミーの株を持っていただいているからです。 移動も含めて「朝方だとなかなか行けません」とか、インターネットでバーチャル配信もしていますが、「バーチャル配信でしょうがないか」という話が多分出てくると思っているからです。
2つ目は、今回初めての株主総会なので、代表の小川だけでなく取締役陣からの今後に向けた発言や思いみたいなところを対面で聞いていただきたい、というのが経営陣としてあった。
移動も含めて、午後の方がみなさんに来ていただけるのではということで、今回は午後2時開催としました。
Q 小川CEOは最初の起業で失敗したという話があったが、それがタイミーにどう生かされているかという話を聞きたい
小川:私は20歳の時にRecolleという会社で、アパレルのECみたいなサービスを作っていました。
私は男子校出身であまりおしゃれじゃなかったのですが、立教大学に入学したところ、なかなかおしゃれな大学で、だいぶギャップに苦しみました。ワンクリックでおしゃれになりたいという自分のニーズから立ち上げたのがRecolleです。アパレルがすごく好きだからというより、アパレルがちょっと苦手だから、簡単におしゃれになりたいという欲で作ったサービスになります。
実際サービスを作って営業する時、様々なアパレルの社長さんに「うちのサービスを使ってください」とお会いしました。アイスブレイクなどで「パリコレ見たか」「最近の素材すごいよな」という話が多くて、あまりついていけなかったところがありました。やはりアパレル業界に対する熱い思いを持った人がやっていくことが非常に重要。起業家がどういうドメインでやるかはすごい重要だと強くそこで実感しました。
そこで1回会社を辞めて、真っ直ぐに起業する気はなかったのですが、日雇いをずっとやる中で、いち労働者としてこのままではまずい、日本の労働課題はものすごく深いと思って、自分だからできる、自分だから欲しいと思えるものを作れる、このドメインであれば長くやっていけると覚悟が決まって、タイミーというサービスをしっかりと育てていきたいというところが起業のきっかけになっている。
2018年に創業して8年弱になりますが、全く飽きることなく、ものすごく楽しいというか、まだまだやらなくちゃいけないことがいっぱいある、このドメインは自分に合っていたんだと強く思っています。Recolleという会社をいったん畳む失敗をしたことは非常に生かされてると思っています。
Q 競合が多くあり、少子高齢化も進む中で、 今後ますます厳しい状況になっていくのではないか。5年後、10年後にタイミーがどんな姿になっているかという見通しを、小川CEOの心意気も含めてお話いただければ
小川:弊社サービス、今1000万を超えるダウンロード数ですが、2000万、3000万に増やしていけると思っています。 日本の労働人口は今6500万人程度ですが、半分近くがタイミーを使うポテンシャルがあると思っています。
非正規雇用者が2000万人近くいて、正社員でも最近、副業でタイミーを使う傾向が強く出ています。円安・物価高ということもあり、 土日ちょっとだけ働いて稼ごうという方、働き方改革で通勤時間がなくなって少し暇な時間ができた方も増えてきたので、3000万という数字は、決して無理な数字ではないかと思っています。
3000万人、つまり労働人口の半分が使うサービスになった時の世界では、様々なことができると思っています。今はBtoCをやっているのですが、毎回の働きの応じたグットとバットという評価の信用データを蓄積しているので、将来的には評価の高いワーカー向けにCtoCのサービスとして、例えば家事代行や買い物代行のような人と人がマッチングしていくようなことを実現できないかと思っています。
こういうところはリスクが付きものなので、いきなりCtoCをやると、いろんな事故が起きてしまう恐れがある。例えば、まだ信用できるか分からない方がいきなり家に来たら怖いじゃないかという話もあると思うので、まずはBtoCとしてしっかりと信用を蓄積しながら、将来的な展望を築いていきたい。
タイミーのビジョンは「一人一人の時間を豊かにする」なのですが、人生の時間は有限であるという中で、全ての人に平等に渡された時間が、少しでも豊かな生活になるように、豊かな時間を使えるようになるということを実現したいと思っています。
暇だなと思った時にタイミーを開いたら、その人の時間が豊かになる世界を作ることは、日本のみならず、どの世界でも通用するサービスだと思っています。
今、日本にフォーカスしてお話ししましたが、韓国など世界的に少子高齢化に陥ってきている中、世界ナンバーワンの少子高齢化が進んでいる日本でタイミーが生まれて上場できたので、このポジションを生かして、グローバルも含めて挑戦していきたい。まだまだ尽きることのないいろんな野望がありますし、ぜひ長期でお付き合いいただけたらうれしいです
Q クライアントから報酬をもらう前に、ワーカーに賃金を前払いするシステムなので、クライアントが倒産することによる貸し倒れリスクがある。貸倒引当金は7000万円ほどと少ないが、不況期などでのリスクヘッジはどのようにしているのか
八木:タイミーが全部リスクを負っているわけではなく、保証と回収を合わせてやっていただいている第三者機関に保証料を支払って、リスクを取っていただいている。
タイミーを利用いただいた飲食店から翌月に支払いいただけなかった場合、タイミーがその分のリスクを負うのではなく、第三者機関からタイミーに満額支払いいただく形になっている。
割合としては、かなり小さい。主に中小企業でリスクが高いところについては、そういった第三者機関に保証いただいている。
それ以外のところは、しっかり規定を設けて、決算書をいただいたり、上場企業であれば公開している財務諸表を見て、与信を取れるか判断して、貸し倒れリスクを最小化できる体制を構築している

Q 昨年9月にタイミー本社でグループインタビューの仕事をした際、タイミーの給料でタイミー株を買える機能を作ってほしいと提案した。株購入で、ポイントがついたりすると株主優待みたいな感じでうれしい。 今、私の趣味はタイミーなので、よろしくお願いします
小川:ご意見ありがとうございます。
今、タイミーで稼いだお金は給料日という形で強制的に引き出ししています。弊社が金融ライセンスを持っていないこともあり、日本では銀行口座に必ず振り込まなくてはいけないことがちょっとネックになっている。
方向性自体はものすごくうれしいものだと思っているので、今後は様々な企業とのアライアンスなどを通じて、 今おっしゃっていただいたことができるように検討していきたい。
Q 小川CEOとは立教の同窓だが、卒業は1970年代で、今は介護業界で会社を経営している。クライアントとして多い飲食や物流、コンビニなどの他、介護などの業界にどのように進出していくのか。人件費率が高いところは教育研修プログラムが課題となると思う
小川:介護事業者として活用いただいていることに、大変感謝申し上げたい。通期決算でも介護とホテルが伸びていると発表している。各業界に特化したチームを作って、開発・営業を行っている。
おっしゃる通り、介護業界はいきなり来た人ができるようなところではないというところも含めて、教育研修プログラムが非常に重要。
今、介護業界や団体と連携して、介護研修などをできないか検討している。少しでもその業界に知見を持った方が働けるような環境を作り、様々な業界でタイミーが利用されるような形をこれからも作っていきたいと思っている。物流、飲食はもちろん頑張っていくが、それ以外の業界も、 しっかりと着手していきたい
Q KPIの開示スタンスについて。御社はアクティブユーザー数を累積しか開示していなくて、業績シミュレーションの中で一番必要なクォーターごとのユニークのアクティブユーザー数を開示していない。なぜこのような分かりにくい開示をしているのか
八木:ワーカーのアクティブユーザー数についてはおっしゃる通り、累積のみになってます。
ここについて開示をするかしないかは、上場のタイミングでしっかり議論しました。いくつかの要因があるのですが、クォーターでどのくらいのアクティブユーザー数がいるかは重要なKPIになっています。
投資家のみなさまにとって重要であるだけでなく、競合会社にとっても重要な数字になっているので、競合の観点も含めて、どれが最適な開示なのかを議論した結果、今の開示となっている。
今後については、その時々、弊社の中で、どれが一番重要なKPIなのか継続的に議論をしているので、貴重な意見をいただいたということで、今後の参考とさせていただければと思っています。
クライアントのアクティブアカウントの数についても、同様にもろもろ議論をしました。これについてはアクティブアカウントあたりの流通総額を開示しています。
クオーターごとのユニークなアクティブアカウントにするときれいに計算できないので、毎月のトータルを足し算して積み上げるという形で、開示しています。
こちらについても、今後については継続的に議論をしていくので、貴重なご意見というところで、今後の参考とさせていただく。
Q ワーカーのプロフィールについて。どの年齢層が多くて、8年間で顕著な変化はあったのか。また、 シニアのワーカーの可能性についてどのように考えているか。そして、ワーカーのプロフィールによってアプローチをどのように変えていこうという考えがあるのか
小川:私が創業した時は学生起業家だったので、ユーザーの8割が学生で、シニアの方はほとんどいませんでした。そこから徐々に20代、30代の会社員などの活用も増えてきて、ここ1年ぐらいは60代以上が急速に増えている状況です。 現在、1000万人いるワーカーのうち約5パーセントが60歳以上のシニアです。
今後のシニアワーカーに対する会社のスタンスとしては、弊社はタイミーラボというオウンドメディアを持っていて、いろんなワーカーの取材をしているのですが、銀行を定年退職をした後にタイミーをほぼ毎日使っているという方が非常に多くグッドをもらっていて、多くの企業から求められているというような事例が徐々に生まれてきている。そういう観点からすると、今後、長期に働けるような方がより増えてくると思っているので、大きなマーケットとしてとらえてやっていきたいと思っています。
しかし、文字が小さいとか、いろんな問題があり、そういうところに対しても今後改善の余地はあると思っているので、ワーカーのプロフィールによってアプリを動的に変えられないのかみたいなことはプロダクトチームとも議論している状況です。そういう細かいところも含めて、しっかり対策を打っていきたい
Q これからワーカーに外国人が増えてきた場合、 ワーカーと職場をどのようにアダプトしていくのか。また、現時点で外国人のワーカーはどのくらいいるのか
小川:今、アプリをダウンロードしてすぐに働けるのは日本人 のみで、外国人は在留ビザを確認するプロセスを設けている。具体的な数字は測定しづらいが、外国人は数%にも満たないくらい。
現在、在留ビザの問題がなかなか突破できない状況。しかし、外国人がトラックドライバーとして働くようになってきたり、国としても規制緩和をし始めていて、 日本人だけだと労働力が足りないことは自明なので、どういうフローにすれば外国人ももっと便利に使えるのかに関しては、しっかりと国と議論していきたい。
自分たちとしても、このマーケットを全て捨てるというよりは、しっかり取り込んでいきたい。
Q タイミーで普段よく行く事業所で、常連はメルカリハロやシェアフルを使ってほしいと勧められている。なぜなら手数料が安いから。また、タイミーの上限額に達して新規募集ができなくなったので他を使い始めたとも聞いた。そういう機会損失は認識しているか
八木:基本的に多くはないと思ってます。一方、ほとんどないかというと、いろんな要因で少なからずあるかと思います。
先ほどの質問にあった通り、与信をタイミーや第三者機関が取れるか取れないかなので、財務状態が厳しいところでは利用限度額が増えないみたいなケースが少なからずあると思います。
一方、弊社としてはなるべく働ける機会を多くしたい思いがあるので、その時は自分たちで与信を取ったり、お金を先にいただいて、上限を増やすみたいな施策で、なるべく働く機会を損失するようなことがないように、鋭意対応している
Q ワーカーとして今、1日1件しか働けないとか、月額報酬の上限が決まっているとか、規制がある。規制はなるべく緩和した方が、ワーカーにとってもタイミーにとってもメリットになると思うが、規制緩和に向けての施策は行っているのか
小川:石橋孝宜というロビイング専門の執行役員を登用していて、厚生労働省や経産省など様々な各省庁と会話をしている。
1日1件しか働けない問題や、休憩しない人がいるのではという話も含めて、労働時間通算問題というところで規制がかかっている状況ではあるが、自分の意思で働きたいというところをどこまで尊重できるのかみたいなことを踏まえて、今、厚生労働省と会話をしているところ。
健康上のこともあるが、1日1件しか働けないことがこの人手不足の日本において本当に正しいのかということはしっかりと議論していきたい。しっかりと対策は自分たちとしてもやっていきたい。
Q タイミーではメンバーシップがある。僕はレベル上げが好きなのですが、現状レベルが上がりきって、上がりきっても特典は変わらないし、バッジもたまっていくだけで、あまりモチベーションにつながらない。モチベーションにつながるような施策は考えているのか
小川:メンバーシップはマスター(最上位)なのかもしれないのですが、ものすごく使っていただいた結果、たどり着かれたと思っていて、本当に感謝申し上げたい。
おっしゃる通り、メリットや動機付けは正直まだまだできていないと思っています。
最近だとバッジ限定公開ということで、企業がクオリティの高い人に飲食店のホールに来てほしいと思った時には、飲食のホールバッジを持った人に限定して求人を公開できる機能があって、それを企業が使う時には時給をプラス200円して払うシステムがある。
バッジ限定公開ということで、比較的ほかの求人と比べて時給が高いオファーが出るので、バッジを集めるメリットは少しずつではあるが、作れてきているとは思っている。
今後、こういうロイヤリティは非常に重要と思っていて、様々なサービスが増えてくる中で、なぜタイミーで働くのかというところを、しっかりと考えていきたいと思っているし、これからも対策を打っていきたい。
Q 八木さんと社外取締役2人の役割を教えてほしい。八木さんには利益配分についての考え方、社外取締役2人には闇バイトや不正問題に対してどういう助言をしたのかを聞きたい
八木:三菱UFJ銀行に2008年に入行して法人営業した後、モルガンスタンレー証券で投資銀行業務をしていた。その後、スタートアップ1社を経験して、2020年12月にタイミーに入社した。
入社以来、CFOという形でコーポレート本部で、経理、財務、今はIR、広報も管掌している。それ以外もコーポレートITという情報システム部みたいなところとカスタマーサポートを管掌している。
取締役としては、経営全般、事業全般というところも小川と一緒に色々議論を含めて、意思決定している。
利益配分については、市場がかなり大きくて、ポジショニングも競合優位性があって、 まだまだ成長が見込めるというところで、しっかり再投資を行って、将来の売り上げに対して人員を増強する、マーケティングでしっかり認知も含めて取っていくところを第一優先として利益配分していく。
合わせて、借り入れも大きいので、財務の健全性として、自己資本比率については高い水準を維持していくことを掲げている。今、配当はしていないが、今後はそういったところも加味しながら、利益配分がどれが適切なのかというところはアロケーションを含めて検討していきたい。
渡邉一正:社外取締役ではあるが、毎週の経営会議にも参加していて、闇バイト問題のみならず、大小様々な問題、リスクについてのアドバイスをしている。
社外取締役2人いるのですが、僕は人材ビジネスを30年ぐらいやってきたので、その観点でお話させていただいている。
今回の闇バイト問題は、 人材ビジネスの根幹に関わる部分ということで、他のリスクと違って非常に大きな問題なので、優先順位を一番にして、さらに全社一丸となって素早く対応していこうと指示した。その上で、私のネットワークであるアドバイザーを紹介したりした。
渡辺雅之:特につけ加えることはありませんが、社外取締役という立場上、やはり施策を打っていくときに、イニシアチブをとって自分たちでやっていくというより、組織全体が方向性を見誤らないようにアドバイスするところがメインだと思っていて、今回に関しては、結構早期の段階で、全社一丸となって最優先で、とにかくワーカーを保護するために一致してやっていこうとなったので、心強く見ていた。
小川:2人の社外取締役には、 経営会議にも出ていただくというところで非常に深いコミットをいただいている。
渡邉一正さんはリクルート、渡辺雅之さんはマッキンゼーで、組織と戦略というところでアドバイスをいただいていて、本当に心強い二人になっているというところで、社外取締役として本当にガバナンスをしっかりと利かせていただいている
Q 障がい者のスキマバイトは今後増えていくのか。すでに実際にあるのか。どういう風に考えているのか聞きたい
小川:タイミーでは、誰でも簡単に働ける業務をしっかりと切り出すことに注力している。誰が行っても簡単に働ける環境を作ることが一番重要だと思っていて、社員の半分ぐらいを占める営業マンも現地を訪問して、「こういう業務だったら初めて来た人でもできますね」ということで、例えば物流倉庫だと仕分け作業の部分を来た瞬間に分かるように配置していくことを実施している。
事例としては、障がい者手帳を持っている、耳が少し聞こえづらい方がいらっしゃった。転職したかったが、履歴書に障がい者の部分を記載しないといけないので、書類審査もなかなか通らなかったという事例があった。
しかし、タイミーを利用して、物流倉庫で頑張って仕分けをやっていたら、拠点長から「ちょっとうちで正社員で働かないか」というオファーが来た。ところが、その方は謙虚に「私ちょっと耳が聞こえづらいので多分お力添えなかなかできないと思います」と話をされたのですが、拠点長は「そんなの関係ないじゃないか。こんなに頑張ってくれてるんだからぜひ入ってほしい」ということで、実際に正社員になった事例があり、その方からタイミーに「ありがとうございます」というお手紙をいただいたことがあった。
障がい者雇用を意図的にすごく増やせているわけではなく、まずはシンプルな作業を切り出すことを全力でやっているが、今後は、そういうことに関してもしっかりと社会に貢献できる会社として着手していきたい。
Q タイミーの広告はSNS系に一番出していると感じる。シニア世代の活用を狙うなら、SNS以外のテレビにも広告を出していくべきでは
小川:おっしゃる通り、YouTube広告やSNS広告が結構多くて、年3回ほどの繁忙期にテレビCMを流している。
今後は各ワーカーのプロフィールに応じて施策を打っていく。シニアに特化するだけではなく、様々なプロフィールに特化したクリエイティブや告知方法が非常に重要だと思っている。
マーケティングチームとしても、 どの属性のどういう方をどれぐらい増やしたいか、かつどれぐらい今登録いただいているかを見ながら柔軟に変更していきたい。
例えばシニアだと、スマホより街に根付くタイプのビラや口コミも大きいかなと思っていて、案件がたくさん出ている場所のマーケティング施策としてそういうことも実現可能かと思っている。
そういうことを踏まえて、しっかりと全世代に愛されるようなサービスとしてこれからも伸ばしていきたい
Q 対処すべき課題に「ワーカーに対して、勤務終了後に賃金報酬等の立替払いを行うため、当該立替を行うための手許資金の流動性の確保が重要」とある。それならば上場時に売り出しではなく公募増資での資金調達も考えられたと思うが、しなかった理由は
八木:2022年10月期から安定して黒字を計上していて、同じ2022年に主にメガバンクから低金利での資金調達、主に銀行借り入れをしていることが背景にある。
また、2024年10月期はしっかり利益を出して、今期も営業増益できる見込みで、2024年10月期の営業キャッシュフローについてもすでにプラスになっているところから総合的に勘案して、公募増資する必要はなく、オーガニックで自己資本を積み上げられると議論して、上場時については公募増資ではなく、売り出しのみという結論に至った。
Q 貸借対照表に立替金が97億円あるが、回収サイト(商品やサービスの販売後に売掛金が発生してから、その代金が支払われるまでの期間)はどのくらいか
八木:基本的に最長2カ月になっている。
例えば今日働いて即時払いということで、タイミーがワーカーにお支払いをする場合、即時払いを立て替えたお金は月末締めで、翌月末に企業から回収する。
一番長い場合は1月1日に働いたお金を2月末に企業から回収するので、1~2カ月の立替サイトになっていて、かなり短い。実際に貸し倒れることは、基本的にはないと思っている。
与信リスクが高いところについては第三者機関に保証をいただいていて、過去の実績を見ても貸し倒れリスクは少ないというのが会社の考えになっている。

残り5人とアナウンスしたところから5人を指名したので質疑応答を終えて議案採決へ。問題なく通過して15時43分に株主総会閉会。
— すずき (@michsuzu) January 28, 2025
最後に新任取締役の池田俊さんが簡単にあいさつして散会。 #タイミー株主総会 pic.twitter.com/8wsyiW27s7