お祭りの屋台でおなじみの金魚すくい。誰しも楽しんだことがあるでしょう。
その金魚すくいに、“聖地”と呼ばれる場所があります。それは奈良県・大和郡山市にある「こちくや」というお店。金魚すくいの達人が集まることで知られているのです。
地方の一店舗に、なぜ達人が集まるのか。その理由は毎年8月、同市で全国金魚すくい選手権大会が開かれるから。同市が金魚の全国シェアの4割を生産していることから開催しているのですが、選手権ゆかりの人々がこちくやを訪れるのです。
今回、金魚すくい選手権大会にエントリーしたのを機に、行ってみることにしました。
こちくやの最寄り駅は近畿日本鉄道の郡山駅、京都駅から急行で1時間ほどの距離。郡山駅から5分ほど歩くと着きます。8月20日に訪れたのですが、翌日が全国金魚すくい選手権大会とあって、その告知ポスターや応援メッセージが目立ちます。
店舗の左が、金魚すくいのスペースとなっています。全国大会前とあって、練習する人々で埋め尽くされていました。
金魚すくいの料金は100円でポイ2枚。屋台だと1回200~300円とられることを考えると激安。ただし、すくった金魚を持ち帰ることはできません。
激安なので、みんな大量にポイを買って練習します。
なかにはボトルキープならぬ“ポイ”キープしている人(家族)もいるようです。
学校の教室ほどのスペースに、金魚すくいの水槽が20個ほどあります。広いスペースをとれるのは地方ならではのメリットと言えるでしょう。
こちくやがすごいのは、店員たち自ら全国金魚すくい選手権大会に出場し、何度も入賞しているということ。店内に多くの賞状やトロフィーを飾っています。
金魚すくい道場も開設しており、こちくやを経営する下村康氏さんが道場主を務めています。
道場の入門者は師範&1~9段に分けられ、芸能人の入門者も多くいます。
入門者の一人である故・赤塚不二夫さんは店内にサインや写真が飾ってあります。
店の奥には、店員専用の練習スペースがあるというガチっぷり。
ここで金魚すくいの達人にコツを教えてもらおうと思ったのですが、この日は金魚すくい選手権の奈良県予選だったこともあって、飛び抜けてうまい人はいなかったんですよね。みんなそこそこはうまいのですが。
ただ、いくつかコツは教えてもらいました。基本は次画像の通りなのですが、手首もポイの延長線上のように使って、漁のように金魚を追い込むことが大事とのこと。
ポイの選び方では、中央の紙ではなく、フチの紙の張りがポイントとのこと。次画像の青のポイのように空気が入って白くなっているのがダメで、緑のポイのように白の部分が少ないのがいいとか。
ちなみにこちくやでは金魚すくいだけでなく、金魚に関するグッズもたくさん売っています……というか、そちらがメイン。
ありがちなお土産の金魚ようかんは380円とお手頃価格。もちろん金魚は入っていません。
デコレーションつきのポイもあったのですが、実用ではなく観賞用でしょうか。
それ百人一首や。
なお金魚すくいのスペースでは、張り紙でゲームを禁止しています。金魚すくいはゲームに入るような気もしますが、探求すべき道のようにとらえているのでしょうか。ただ、厳密に適用されているわけではなく、ポケモンGOをやってる子どもがちらほらいたりもしました。
全国大会当日になると、猛者も現れるかもしれないので、またのぞいてみたいところです。
→【動画あり】3分で89匹、金魚すくい日本一チームからコツを学んだ@第22回全国金魚すくい選手権大会(奈良県大和郡山市)