こんにちは、すずきです。
ジャニーズ事務所が元SMAP3人の出演に圧力をかけたとして公正取引委員会から怒られたニュース、覚えていますか? ほんの1カ月半前の話ですが、日々いろんな出来事が起こるので忘れている人も多いのでは。
7月9日にジャニー喜多川さんが亡くなった1週間後、7月17日にNHKが報道。
■元SMAP3人の出演に圧力か ジャニーズ事務所に注意 公取委(NHKニュース、元記事が消えているのではてブにリンク)
■元SMAP3人のテレビ出演に圧力か 公取、ジャニーズ事務所注意 民放関係者に衝撃(ITmedia NEWS)
■公取委が注意 「新しい地図」への「圧力」中心人物は嵐の元マネージャーだった(文春オンライン)
NHKは8月3日、アニメ映画『この世界の片隅に』を地上波初放送したこともあり、いろんな思惑があることがうかがえます。『この世界の片隅に』は、元SMAP3人と同じく、以前所属していた芸能事務所からの圧力が疑われるのんさんがヒロインの声を担当しているからです。
また、SMAPに関する圧力うんぬんについては、フジ・メディアHD(フジテレビの親会社)の株主総会でも質問に出たことがあります。
Q 去年、SMAPにお詫び会見させたのはフジテレビの最大の間違い。あれからテレビという箱は夢をなくした。フジテレビがSMAPを解散させたと私は思っている。今はまだ嵐の中なので言えないと思うが、SMAPのメンバー5人の尊厳を守るためにも真相を明らかにしてほしい #フジテレビ総会
— すずき@丸広百貨店わんぱくランド閉園 (@michsuzu) June 28, 2017
稲木:一昨年暮れにSMAPが解散するという報道がなされた。民放、NHKも含めて、5人が一同で出演するのは『SMAP×SMAP』だけだったので、番組の中で語ってほしいということからああいう形式をとった #フジテレビ総会
— すずき@丸広百貨店わんぱくランド閉園 (@michsuzu) June 28, 2017
稲木:結果的に多くの方々から生謝罪と言われたのは、自分たちが意図したことではないので遺憾。あくまでも5人に当時の内容を語っていただきたかったということは分かっていただきたい #フジテレビ総会
— すずき@丸広百貨店わんぱくランド閉園 (@michsuzu) June 28, 2017
開示請求してみた
今回、公正取引委員会はジャニーズ事務所に“注意”を与えたのですが、この処分自体はわりとよくあること。
公正取引委員会の独占禁止法違反事件の処理状況の統計を見ると、2018年度は143の審査件数に対して、排除措置命令が8、警告が3、注意が95。それぞれの処分の違いは、排除措置命令はアウトなもの、警告は証拠不十分だが違反の疑いがあるもの、注意は証拠はないが違反につながる恐れがあるもの。
また、警告は全件公表されるのですが、注意は基本的に公表しないようで、この件についても公表扱いではなく、あくまでNHKが報道しただけという扱いです。
公正取引委員会はなぜジャニーズ事務所に注意したのか、またなぜより強い排除措置命令や警告でなく注意にとどまったのか。
その根拠や経緯を知りたいと思ったので、報道の2日後、「公正取引委員会がジャニーズ事務所に元SMAP3人の出演に圧力をかけたとして注意をしたことに関する行政文書」を開示請求してみました。
開示請求から1カ月後、僕の自宅に届いたのがこちらの文書
結論としては「全部不開示」。
理由は「開示請求がなされた文書は、法人等に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあり、また審査にかかる事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれまたは違法もしくは不当な行為を容易にし、もしくはその発見を困難にするおそれがあるから」。
分かりにくい文言を使っているのですが、要は「営業妨害になったり、処分のラインや根拠が分かると抜け道に利用される&ごまかしやすくなるから」ということですね。
注意という処分に至っているので、その根拠や経緯を明らかにすることは、社会的に意義があり、類似行為の抑止につながりますし、公取委の腰が引けていたり、逆にやりすぎていたりしても分かるとも思うのですが、公取委の言い分にも理はあります。
なお「今は開示に問題があっても、時間が経てば開示できるようになるのでは」と、公正取引委員会の担当者に尋ねると、センシティブな資料なので時間が経っても難しいのではとの回答。
アカン部分がある時は一部黒塗りで開示されることもあるのですが、今回はそういう対応ではありませんでした。
1月の仮想通貨流出事件を受け、コインチェックが2月13日に金融庁に提出した業務改善報告書。同社はウェブサイトなどに掲載していないので、金融庁に開示請求、このたび開示されたのでブログで内容を全公開したのですが・・・諸々の事情で文書の多くは黒塗りになっていました https://t.co/B4tan1ieO5 pic.twitter.com/cSAnhFKYRb
— すずき@丸広百貨店わんぱくランド閉園 (@michsuzu) May 22, 2018
担当者からは「今後、どうするかということも言及できない」と言われたのですが、公正取引委員会では2017~2018年に「人材と競争政策に関する検討会」を開催。芸能界の圧力問題についても積極的に動く意志は感じられるので、とりあえずはその動きを注視していこうと思います
■人材と競争政策に関する検討会報告書のポイント(公正取引委員会)
出演者をブッキングしようとしたら圧力をかけられた等のことがあれば、↓の公正取引委員会のフォームから簡単に通報できるので手続きしていただければ。
■公正取引委員会の電子窓口(公正取引委員会)
電話でも、公正取引委員会の代表番号(03-3581-5471)にかけて、「情報管理室までお願いします」と伝えれば、通報できます。フォームの書き方がよく分からないといった場合は、こちらの方がいいかもしれません。