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IGポート株主総会2019レポ|ジーベックの映像制作事業は売却したが、『蒼穹のファフナー』などの権利は持っているので引き続き作っていく

 こんにちは、すずきです。

 8月27日11時から行われた株式会社IGポートの株主総会。子会社にプロダクション・アイジー、ウィットスタジオなどのアニメ制作会社を抱え、今期アニメでは『BEM』『ヴィンランド・サガ』に関わっています。

直近決算説明会資料:2019年5月期決算説明資料中期経営計画(修正予定)

株主総会資料:定時株主総会招集通知

2018年株主総会:『魔法使いの嫁』は企画書に加えてPVでプレゼンしたことで海外販売が伸びた――IGポート 2018年株主総会の内容まとめ

 業績は増収減益。来期は増収増益見込み。版権収入の入る時期などによって業績に大きくブレが出るため、今期の赤字はほぼ計画通りです

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 セグベント別に見ると、売上最大の映像制作事業は赤字で、出版事業と版権事業でカバーする構造が続いています。ただ、ここ数年はアニメ制作会社増加での受注競争激化や、制作期間長期化で、映像制作事業の赤字が大きくなっています

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 映像制作事業の赤字を何とかするため、7月から子会社経営管理プロジェクトというものを始めています

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 版権収入は『魔法使いの嫁』『進撃の巨人』『宇宙戦艦ヤマト2199/2202』がベスト3。Netflixと取り組んでいる『 B: The Beginning 』も大きくなっていますね

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ここ一年の主な動き

2018年10月 制作を担当するアニメ『風が強く吹いている』放送開始

2019年3月12日 Netflix社との包括的業務提携の進捗に関するお知らせ

4月1日 連結子会社ジーベックの映像制作事業をサンライズに譲渡

6月1日 連結子会社ジーベックを吸収合併

6月12日 Netflix独占配信アニメーション『ULTRAMAN』シーズン2制作決定

7月 プロジェクト協力するアニメ『BEM』放送開始

7月8日 製作委員会に入るアニメ『ヴィンランド・サガ』放送開始

7月12日 子会社経営管理プロジェクトについて

7月12日 中期経営計画見直しの発表延期について

7月18日 京都アニメーション放火事件

議案

(1)剰余金の処分→期末配当を1株につき5円に(前期と同じ)

(2)定款一部変更→CEO、COO、会長の役割を追加

(3)取締役3名選任→奥野敏聡さん、和田丈嗣さん、森下勝司さん、安藤紘平さん、郡司幹雄さんが退任、坂東浩二さんが新任

(4)監査役3名選任→佐伯友紀さんが退任、木本恵輔さんが新任

株主総会のTwitter実況

 注目点は↓

・映像制作事業の赤字をどう減らしていくのか

・大きく取締役体制を見直し

 京都アニメーションで悲劇的な放火事件があったので、同じアニメ制作会社として関連質問が出るかもしれません。

 なおIGポートは京都アニメーションの支援を受けて設立された経緯があり、IGポート監査役の桶田大介弁護士は京都アニメーション代理人でもあります(メディアとのコミュニケーションがうまくいってなさそうですが)。

 株主総会の様子は僕のTwitter(@michsuzu)で「#IGポート株主総会」のハッシュタグをつけてツイートしていたので、まとめておきます